ボランティア情報誌「ボラみみ」が26年の歴史に幕、3月1日発行号で休刊へ
東海地方でボランティア活動をしている人や団体を紹介する無料情報誌「ボラみみ」が、3月1日に発行される3・4月号を最後に休刊します。これにより、2000年の創刊から約26年間続いた歴史に幕を閉じることになります。重ねた号数は268号に及び、編集を担ってきたNPO法人「ボラみみより情報局」(名古屋市)は、これまでの支援に深く感謝の意を表明しています。
創刊の背景と活動内容
ボラみみは、ボランティアをしたい人とそれを求める団体をつなぐことを目的とした無料の情報誌です。現在は10歳から80歳代までの約80人が、ほぼボランティアで情報の収集や取材、編集、発送までを行っています。年6回、約1万部を発行し、スーパーや行政施設などに設置されてきました。同団体によると、ボランティアを紹介する専門の情報誌は全国的にも珍しい存在でした。
創刊から現在まで誌面の制作に携わっているのは、代表理事の織田元樹さん(65歳)です。織田さんは、大学を卒業後に留学した中国でダウン症の子供を見た経験から、帰国後にボランティアに取り組みたいと考え、団体を設立しました。当時はインターネットが普及しておらず、ボランティアを探すにも情報入手が困難な時代でした。一方で、障害者支援など、多くの現場でボランティアが不足していました。
「誰でも手にできる、ボランティア版の無料の求人雑誌を作ろうと、仲間に呼びかけ4人でスタートして、ボラみみは誕生した」と織田さんは振り返ります。創刊当初は校正ミスなどもありましたが、一つ一つ修正を重ね、信頼を得てきました。何度か休刊の危機に直面しましたが、ボランティアの協力や日本財団の助成金などを受けながら、発行を継続してきました。東日本大震災の際には、県内の被災者ボランティア募集にも貢献しました。
編集方針の変化と休刊の理由
3年前からは、編集方針を変更し、未来をつむぐライフマガジンとして、実際にボランティアに携わる人を取材した記事や寄稿も掲載してきました。しかし、SNSの普及により、ボランティアを直接募る団体が増加し、以前ほど募集情報が集まらなくなったことが課題となりました。資金面でも問題が生じ、昨年の総会で3月発行分をもって休刊することを決定しました。
今後は、団体のウェブサイト「みみライン」での情報提供に注力していく方針です。誌面については、年に1回程度のペースで復刊を模索していく予定です。最終号は「つたえたい」をテーマに、取材やこれまでの歴史を振り返る内容となる見込みです。
織田さんの感謝の言葉
織田さんは、「ここまで続くと思っていなかった。他に仕事を持ちながら力を貸してくれたボランティアの協力で続けることができた。心から感謝したい」と語っています。ボラみみは、地域のボランティア活動を支える重要な媒体として、26年間にわたり多くの人々に親しまれてきました。その休刊は、地域社会にとって一つの時代の終わりを象徴する出来事と言えるでしょう。