四国縦断で外国人誘致、漂流郵便局や鮎アイスで「ディープ四国」を発信
四国縦断で外国人誘致、漂流郵便局や鮎アイスでPR (13.02.2026)

四国縦断で外国人観光客を誘致、地域連携で「ディープ四ど国」を発信

徳島県三好市観光協会は、香川県と高知県の観光関連団体と協力し、訪日外国人を中心とした誘客活動を強化している。インバウンドにおいて知名度が低い現状を、県域を越えた広域連携で克服しようとする試みだ。関係者は「連携を通じて発信力を高め、四国全体の魅力を世界に伝えたい」と意気込んでいる。

広域連携で四国全体のPRを推進

協力しているのは、香川県琴平町観光協会、同県三豊市観光交流局、高知県中芸地域の「中芸のゆずと森林鉄道 日本遺産協議会」など。インバウンドには東京や京都、大阪を巡る「ゴールデンルート」が人気で、三好市観光協会は「まず四国に来てもらうためのPRが不可欠」と判断し、連携を進めることにした。

JR四国の観光列車ルート化を契機に、2017年から琴平町と連携を開始。その後、三豊市や中芸地域も加わり、四国縦断の観光軸が形成された。共通パンフレットの作成では、「Deep Shikoku」を基本理念に掲げ、祖谷のかずら橋や金刀比羅宮などの定番スポットに加え、隠れた名所や特産品を紹介している。

多言語パンフレットで魅力を発信

パンフレットは日本語版のほか、英語版や中国語版も用意。岩豆腐で作る串「祖谷のでこまわし」、届け先不明の手紙を受け付ける「漂流郵便局」、焼きアユ入りの「鮎アイス」など、外国人観光客の興味を引きそうなユニークな観光資源を写真付きで取り上げた。三好市観光協会の大西裕之事務局長は「瀬戸内海から太平洋へ至る『四国の縦軸』として、PRの基盤が整った」と振り返る。

台湾向けツアーで実績を拡大

2024年度からは、四国への来訪実績がある台湾をターゲットにした観光ツアーを企画。「四国龍下南道」と銘打ち、北から南へ巡るルートを設定し、各地区で1泊2日のコースを展開した。三好市では「平家伝説と秘境」をテーマに、祖谷のかずら橋や大歩危、落合集落を中心としたモデルを構築。奥祖谷での農家体験を組み込むなど、新たな魅力の発信にも努めた。

昨秋には高知県・嶺北地域の「土佐れいほく観光協議会」から連携の申し出があり、縦軸がさらに延長される見込みだ。同市によると、2024年度に祖谷のかずら橋を訪れた外国人は前年度比約2万2300人増の約6万7700人と伸びており、効果が表れ始めている。

今後の展望と期待

大西事務局長は「現在はアジア圏を中心にターゲットを絞っているが、欧米などにもPRを広げられれば、さらなる誘客効果が期待できる」と語る。四国全体の観光資源を連携して発信することで、インバウンド市場の拡大を目指す取り組みは、地域活性化のモデルケースとして注目を集めている。