陶磁器の干支置物を土に返す供養式、愛知・瀬戸で営まれる
焼き物の産地として知られる愛知県瀬戸市において、陶磁器製の干支(えと)の置物を土に返す伝統的な「干支供養」が、2026年2月11日に実施されました。この儀式は、陶磁器工芸メーカー「中外陶園」で営まれ、地域の文化と環境への配慮を融合させた取り組みとして注目を集めています。
小づちを振るう住職による供養の儀式
供養式では、地元の住職が小づちを振るって干支の置物を丁寧に砕く様子が披露されました。この行為は、置物に込められた人々の思いや感謝の気持ちを土に返す象徴的な儀式として、長年にわたり受け継がれてきました。参加者たちはその後、同社の一角に設けられた干支塚に手を合わせ、静かに祈りを捧げました。
全国から寄せられた置物の再利用
供養に使用された干支の置物は、全国から寄せられたもので、その一部は新たな焼き物の材料として再利用されます。この取り組みは、資源の循環を促進し、持続可能な社会の実現に貢献しています。中外陶園の鈴木政成会長(74歳)は、「置物を家族の一員や守り神として大切にしてきた人々の気持ちを尊重し、縁起物づくりを今後もしっかりと続けていきたい」と語りました。
地域の伝統と現代の環境意識の融合
瀬戸市は、日本の陶磁器産業の中心地として歴史的に重要な役割を果たしてきました。干支供養は、そのような地域の伝統を現代の環境問題への意識と結びつけたユニークな事例です。儀式を通じて、陶磁器の文化価値とリサイクルの重要性が再認識され、地域コミュニティの結束を強める機会ともなっています。
この供養式は、毎年定期的に開催されており、多くの地元住民や観光客が参加しています。今後も、伝統的な行事として継承されるとともに、環境に優しい取り組みとして広がることが期待されています。