本格的な夏を目前に控え、手ぬぐいの産地として知られる堺市で、伝統的な染色技法「注染(ちゅうせん)」を用いた手ぬぐいの生産が最盛期を迎えている。堺市中区の染色会社「ナカニ」の工場では、青い水面やカラフルな水玉模様に染め上げられた長さ25メートルの布が天井からつり下げられ、乾燥を待つ光景が見られる。
一期一会の模様を生み出す注染技法
この工場では、じょうろを使って布に直接染料を注ぎ込む「注染」という技法を採用している。注染は大阪で生まれた伝統的な染色方法で、優しい風合いのぼかしやにじみが特徴だ。同じ模様が二つとない、まさに一期一会の芸術作品を生み出す。
乾燥から製品へ
乾燥後、布は90センチメートルに切断され、一枚の手ぬぐいとして仕上げられる。手ぬぐいは夏の必需品として、汗を拭うだけでなく、インテリアやファッションアイテムとしても人気を集めている。
社長の思い
中尾弘基社長(39)は、「同じ模様は一つもない。一期一会の出会いを楽しみつつ、暑い夏を乗り越えてほしい」と語り、伝統技術の魅力とともに、使い手への願いを込めた。
堺市の手ぬぐい産業は、長い歴史と技術の継承によって支えられている。注染技法は、手間暇かかる分、唯一無二の風合いを生み出し、多くのファンを魅了し続けている。



