エスコン伊藤社長「新スタジアム、誇れる場所に」 モンテ親会社へ7月参画
エスコン伊藤社長「新スタジアム、誇れる場所に」

サッカーJ2・モンテディオ山形の親会社として7月から経営に参画する不動産開発会社エスコン(東京)の伊藤貴俊社長が27日、都内の同社で読売新聞の取材に応じた。建設中のスタジアムについて「山形の皆さんにとって誇りを持てる場所になる」と強調。周辺開発を進める北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールド北海道」での経験に触れ、「スタジアムを核としたまちづくりに取り組んでいきたい」と展望を語った。

支援決定の経緯

新スタジアム建設を巡っては、旧スポンサー企業との契約解消で建設費約50億円がいったん白紙となったが、2月にエスコンが名乗りを上げ、建設を担うモンテディオフットボールパーク(山形市)に最大50億円を出資すると発表した。

伊藤社長は、1月にスタジアムのある天童市などを訪れたといい、「何より県民に非常に愛されているチームという印象を強く持った。何とか役に立てたらと思った」と支援決定に至った経緯を語った。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

スタジアムを核としたまちづくり

同社は、北海道の球場の命名権を取得し、周辺でマンションやホテルの開発に取り組んでいる。伊藤社長は、プロ野球との試合数や、大都市・札幌に近い商圏の違いに触れつつ、「人が集まる魅力はある」と指摘。「チームが永続的に進化することが求められる。そのためにはいかにして収益を上げていくかが非常に重要。エスコンにとっても挑戦だ」と語った。

スタジアムの完成時期は、当初の2028年8月に「変更はない」とした。今後の投資額については「未定」とし、周辺の交通アクセスが未整備となっていることを課題に挙げ、行政とも協力していく考えを示した。

クラブ運営への関わり方

同社にとっても初のスポーツクラブ経営への参画になる。チームへの関わり方について「クラブのオーナーになりたいわけではない。県に根ざしたチームで、その歴史を受け継ぎながら価値を生み出していく」と説明。相田健太郎社長を筆頭に、今の運営会社が引き続き主導する体制とする考えを示した。

一方、日本ハムの成績向上にスタジアムの整備が貢献したことに言及し、「(モンテが)育成に力を入れているチームであることは認識している。チーム力強化のための環境整備に取り組む」と抱負を語った。

一問一答

伊藤貴俊社長へのインタビューの主な一問一答は次の通り。

――資本提携の経緯は。

「知人の紹介で、昨年11月に相田社長とお会いし、ものすごい情熱をお持ちで、協力を伝えた。最初は一部の出資を考えていたが、未確定な部分が多い計画で外部から資金を集めるのは難しい。建設会社の共同事業体から3月までに着工できなければいったんゼロベースにしたいとの話もあった。時間がない。そこで1月に1人で山形に向かった。天童市内や山形駅周辺を1日歩き、本当に愛されているチームだと感じ、最終的に参画を決めた」

――スタジアムを核とした街づくりの見通しは。

「2月末に出資を決議したばかりで、これから県や天童市と協議しなければならない。Jリーグのレギュレーションに則した事業は簡単ではなく、実際に立ち上げて進めないと実態をつかめない。永続してスタジアムやチームが進化していくために、収益を上げていくことが重要。中身はこれからモンテディオ山形のメンバーと一緒に作り上げる」

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

――エスコンフィールドの知見はどう生かすか。

「球場のある北広島市は、人口約6万人と天童市と規模も非常に近い。一方で、周辺1時間圏内の商圏を考えると北広島には近くに札幌という大都市がある。人が集まる魅力あるスタジアムの開発という部分は重なり、我々の経験・知見を開発に生かしていければ」

――クラブ運営会社とは今後どう連携をとるのか。

「本当に県に根ざしたチームだ。歴史をしっかりと受け継ぎながら、チームとスタジアムの運営を一体で行い、価値を生み出していく。実現には当然、エスコンからも人材をご一緒させてもらい、より良いチーム、良いスタジアムを作っていく」

――支援決定後に相田社長の不適切発言が浮上した。

「第三者の弁護士にも入っていただき、社内でのヒアリング等を実施した上で、既に取締役会で処分済みの話でもある。けじめはとったので引き続き経営を担っていただきたい」

――県民、サポーターの期待は大きい。

「5月10日に実際に試合を見に行き、熱い声援を送っていただいていることを実感した。新スタジアムはピッチとの距離が近く、より臨場感あふれるものになる。引き続きサポートをお願いしたい」

伊藤社長は1971年生まれ。大谷大学を卒業後、不動産開発会社などを経て、2001年に日本エスコン(現エスコン)に入社。2011年から代表取締役社長を務める。