小柄な選手たちが勝利への道筋を切り拓く
Bリーグ1部(B1)に所属するアルバルク東京(A東京)は、4月18日と19日の2日間、埼玉県越谷市立総合体育館で行われた越谷アルファーズとの対戦に連勝を収めた。スコアは73-66、79-69。ブランドン・デイビスとセバスチャン・サイズといった長身の外国籍選手が得点を量産する中、身長177cmの福沢晃平と中村浩陸という小柄な日本人選手が、攻守両面でチームに不可欠な貢献を果たした。
ベテラン福沢の経験が流れを変える
第1戦では、A東京は細かな連係ミスが続き、第3クオーター終盤まで5点差を追う苦しい展開が続いた。ここで投入された33歳のベテラン、福沢晃平がチームに活力をもたらした。高い位置からの積極的な守備で相手にプレッシャーをかけ、身長220cmのカイ・ソットにもひるむことなく対峙。あるプレーでは、腕を伸ばして相手のボールをはじき、アリーナを「晃平」コールで包み込んだ。
この気迫あふれるプレーをきっかけに、流れはA東京に傾き始める。福沢は制限区域(ペイント)からの巧みなパスでデイビスの3点シュートをアシスト。勢いに乗ったデイビスは守備でもボールを奪取し、チームは見事な逆転を成功させた。第4クオーターでは、福沢自身が3本の3点シュートを沈めて試合を決定的なものにした。
福沢は試合後、「スリーポイントがほしい場面で仕事ができた」と喜びを語りつつも、自身のシュート力だけでなく、味方との連係でオープン(フリー)の状況を作り出せた点をより強調した。デイニアス・アドマイティス監督は「得点が注目されがちだが、守備での貢献が素晴らしかった」と福沢の総合的な活躍を称えた。
冷静なプレーでチームを支える中村浩陸
第2戦では、序盤にリードを築いたA東京だったが、第3クオーターで攻守の強度が低下し、越谷に点差を詰められる場面があった。この危機的状況でコートに送り込まれたのが中村浩陸である。中村は「常に状況を頭の中で整理している」という言葉通り、冷静な判断でチームを導いた。
守備では、自身より10cm以上大きな相手にもひるまず、ボールを運ぶ相手ガードに激しい圧力をかけた。ファウルで止めることで、長身選手に気持ち良く得点させないという知恵も見せた。攻撃面では、丁寧なボール運びを心がけ、ターンオーバーを防ぎながらチームの落ち着きを取り戻すことに貢献。中村のレイアップやサイズへのアシストが決まり、A東京は再びリードを広げた。
試合終盤、中村は15日ぶりとなる3点シュートを沈め、勝利を決定づけた。昨シーズンまでA東京の「敵」として対峙していた中村は、チームに加わってからも、ベンチで過ごす時間を活用してチームの課題を分析。その観察眼を活かし、ピンチを好機に変えるプレーを連発した。
チームの課題と未来への期待
天皇杯全日本選手権優勝に貢献した福沢や、負傷者が出た際に司令塔としてチームを支えた中村だが、両者とも現在のA東京には課題があると指摘する。福沢は第1戦後、「CS(チャンピオンシップ)進出は決まっていないし、このままでは出ても勝てない」と危機感を口にした。守備でのマークの入れ替えミスなど、細かい連係の乱れが目立つという。
福沢は「適切な声かけが必要かもしれない。練習では厳しく言ってもいいが、試合中はフラストレーションをためずに解消させることが重要だ」と改善策を模索する。一方、中村は「全員がそろった。チームがまだ出来上がっていくという期待がある」と前向きに捉え、さらなる成長に意欲を見せる。
エースのテーブス海をはじめ、デイビスやサイズといった主力選手の活躍もあり、A東京は確実に勝利を積み重ねている。しかし、福沢と中村という小柄ながらも確かな技術と経験を持つ選手たちの存在が、チームに多様性と粘り強さをもたらしていることは間違いない。今後の試合でも、彼らの活躍が鍵を握りそうだ。



