政府が、健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用を事実上義務化する方針を固めたことが24日、明らかになった。来年秋にも現行の保険証の新規発行を停止し、段階的に廃止する。保険証を持たない患者には窓口負担を増やすなどして、マイナ保険証への移行を促す。
移行促進へ負担増
政府関係者によると、マイナ保険証の普及率が目標に達していないことを受け、より強制力のある措置が必要と判断した。具体的には、来年9月をめどに現行の保険証の発行を停止。その後、保険証を使った受診を段階的に縮小し、最終的にはマイナ保険証のみとする方向だ。移行期間中、保険証を提示しない患者には、医療費の窓口負担を現行の3割から4割に引き上げるなどの案が検討されている。
医療現場への影響
この方針に対し、医療現場からは戸惑いの声が上がっている。日本医師会は「高齢者などデジタル機器に不慣れな患者への配慮が必要」と指摘。また、システム障害が発生した場合の代替手段の確保も課題となる。政府は、マイナ保険証のメリットとして、医療費の自己負担額の軽減や、薬剤情報の共有による重複投薬防止などを挙げているが、国民の理解を得られるかが焦点となる。
政府の普及目標
政府はこれまで、2024年度中にマイナ保険証の普及率を8割とする目標を掲げていたが、現時点では約6割にとどまっている。今回の義務化方針は、普及が停滞している現状を打破する狙いがある。河野太郎デジタル担当相は「国民の利便性向上と医療の質の向上のため、着実に進めたい」と述べている。
- 現行保険証の新規発行停止:来年秋
- 窓口負担引き上げ案:3割→4割
- 最終目標:マイナ保険証のみ
一方、野党からは「強制的な義務化は国民の選択肢を奪う」との批判も出ている。今後の国会論議で、義務化の是非が争点となる見通しだ。



