大地震に伴う断層の破壊は、徐々に減衰するのではなく、突然停止することが明らかになった。京都大学を中心とする研究チームが、過去の地震観測データを詳細に分析し、この画期的な発見を米科学誌『サイエンス』(4月23日付)に発表した。地震の規模は断層破壊の停止の仕方に大きく左右されるが、これまでその停止過程は十分に解明されていなかった。今回の成果は、建物の揺れ方の予測精度向上や耐震設計の高度化に寄与するものと期待されている。
研究の概要と解析対象
研究チームは、1992年から2025年までの間に日本国内外の内陸で発生した大地震12例を対象に、断層近傍で観測された揺れや地面の動きを調査した。対象には、2000年の鳥取県西部地震や2016年の熊本地震などが含まれている。
観測された共通の現象
解析の結果、断層の端付近では、地面が一度動いた後、逆向きにわずかに戻るような動きが、すべての事例で共通して確認された。この特異な動きについて、コンピューターシミュレーションを用いて検証したところ、断層の破壊が急激に停止する際に発生する「停止波」であると判断された。この停止波が、強い揺れを引き起こす一因となっている可能性があるという。
地震動増幅の新たなメカニズム
さらに、断層が複数の区間に沿って破壊が広がる場合、各区間の境界付近で地震動が増幅される可能性があることも明らかとなった。この発見は、地震動の予測モデルに新たな要素を加えるものとして注目される。
研究チームは、今回の知見を活用することで、より正確な地震動予測が可能になり、建築物の耐震設計や防災対策の向上につながると期待している。



