日本列島に生息していたナウマンゾウの絶滅時期が、従来の説より約1万年早い約3万3千~3万5千年前であることが、東海大学などの研究チームの化石分析で明らかになった。26日に発表されたこの研究成果は、人類の活動と重なる期間も限られることから、絶滅の主要因は人類による狩猟ではなく、繰り返す気候変動の影響が大きかった可能性が高いとしている。
研究の背景と意義
これまでナウマンゾウは約2万4千年前に絶滅したと推定されていた。しかし、東海大の日下宗一郎准教授(自然人類学)らのチームは、青森、島根、愛媛の各県で出土した化石からコラーゲンだけを丁寧に取り出し不純物を除去する方法で、より正確な年代測定を実施。その結果、絶滅時期が大幅に早まることが判明した。
この発見は、日本における大型哺乳類の絶滅過程を科学的に塗り替える重要な研究成果と位置づけられている。石器を持った人類がナウマンゾウを狩るイメージは根強いが、日下准教授は「実際は異なるのではないか」と指摘する。
人類との共存期間
絶滅時期が早まったことで、日本列島で人類がナウマンゾウと共存していた期間は、従来の想定よりも大幅に短い約4千年~6千年と判明。この短期間では、人類の狩猟が絶滅の主要因となる可能性は低く、むしろ気候変動の影響が大きかったと考えられる。
気候変動の影響
研究チームは、当時の日本列島では急激な温度上昇など繰り返す気候変動が発生しており、これがナウマンゾウの生息環境に深刻な影響を与えたと分析。絶滅の主因は人類ではなく、自然環境の変化であった可能性が高いという。
ナウマンゾウは、現在のゾウに近い大型哺乳類で、寒冷な気候に適応していたと考えられている。気候変動による植生の変化や生息域の縮小が、絶滅を加速させたとみられる。
今後の研究への期待
今回の研究成果は、日本列島における人類と大型哺乳類の関係を再検討するきっかけとなる。今後、さらに詳細な化石分析や気候モデルの研究が進むことで、絶滅のメカニズムがより明確になることが期待される。



