物価高と意識変化で「義理チョコ」習慣に異変
職場や知人への感謝の印として2月14日に贈られる「義理チョコ」。しかし近年、この習慣に対して「渡したくない」と考える人が大多数を占めるようになりました。背景には物価高の影響やジェンダー観の変化があり、バレンタインデーへの考え方そのものが変わりつつあります。
「滅びちまえ」と怒りを露わにする30代女性
長野県に住む30代の女性は、バレンタインデーを目前に控えた2月10日、X(旧ツイッター)で「バレンタインなんて滅びちまえ‼」と強い怒りを表明しました。彼女の職場では、男女合わせて30人以上が働いています。
ある女性社員から「男性社員に配るから」という理由で、チョコレート代として2千円以上を求められたのです。仕事中に突然告げられたこの要求に、彼女は「カツアゲされたような気分」だと語っています。
不公平感が募る職場の慣習
男性社員も3月14日のホワイトデーにお返しをするものの、男性の人数が多いため1人あたり500円程度で済みます。この不均衡がもやもやを増幅させました。
物価高で節約を心がける中、「回転ずしに2回行ける」金額の出費は大きな負担です。彼女は「令和じゃない」と職場への怒りを隠せず、Xに「なんで義理チョコ強制なんだよ‼」と書き込んでいます。
調査で明らかになった女性の本音
調査会社「インテージ」(東京)の調査によると、働く女性の85.4%が「義理チョコを渡したくない」と回答しています。この数字は、従来の習慣が大きく揺らいでいることを示しています。
新しいバレンタインデーの形
物価高の影響を受け、多くの人々がバレンタインデーの過ごし方を見直しています。
- 自分用チョコ:自分へのご褒美として高品質のチョコレートを購入する傾向
- 推しチョコ:好きなアイドルやキャラクターに関連したチョコレートを楽しむ動き
- 簡素化:手作りや高額な贈り物から、気持ちを重視したシンプルな贈り物へ
ジェンダー観の変化も無視できません。従来の「女性から男性へ」という一方的な贈り物の習慣が、多様な関係性を反映した形へと変容しています。職場では、性別に関係なく感謝を伝える機会として、バレンタインデーを捉え直す動きも出始めています。
社会全体で見直される習慣
義理チョコを巡る議論は、単なる経済的な負担の問題を超えています。職場の人間関係、ジェンダー平等、そして個人の意思尊重といった、より広い社会的課題を浮き彫りにしています。
バレンタインデーという行事そのものが、現代の価値観に合わせて進化を迫られているのです。今後も物価動向や社会意識の変化に応じて、この習慣はさらに変容していくことでしょう。