カンボジア人留学生が浜松で柔道整復師を目指す 共通の伝統「凧揚げ」に夢膨らむ
カンボジア人留学生が浜松で柔道整復師を目指す

カンボジアから浜松へ 柔道整復師を目指す留学生の挑戦

鍼灸師や柔道整復師を養成する専門学校浜松医療学院(浜松市浜名区)にこの春、カンボジアからの留学生が入学した。ワット・ソヘーンさん(31)は、柔道整復師を目指して3年間学び、資格取得後は母国カンボジアの人々の健康的な暮らしをサポートすることを目標に掲げている。

日本語への情熱から医療の道へ

ソヘーンさんは、日本語ガイドを務めていた叔父に憧れ、15歳ごろからカンボジア北西部のシェムリアップ州にある日本語学校「国際日本文化学園」に通い始めた。アンコールワットが近くにあり、日本人観光客へのガイド需要が高い環境で、「日本語が好きで、一生懸命勉強した」と語る。現地の日本語コンテストで優勝し、高崎経済大学(群馬県)で4年間、地域政策を学んだ経験も持つ。

卒業後は帰国し、通訳や日本語教育に携わっていたが、転機は昨年11月に訪れた。首都プノンペンで開催された日本文化紹介イベント「ジャパンフェア」で、浜松医療学院が柔道整復師の技術を紹介。通訳を務めたソヘーンさんは、「痛みに悩む人が結構、来てくれた。柔道整復師の先生方を見て、いいなと思った」と振り返る。

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学校間の連携協定が新たな道を開く

ソヘーンさんは、浜松医療学院がカンボジアで柔道整復の技術と柔道教育の普及を目指し、留学生の受け入れを検討していることを知り、その場で立候補した。学校側も受け入れ準備を進め、浜松医療学院を運営する学校法人森島学園は、ソヘーンさんの通っていた国際日本文化学園と人材育成や文化交流に関する連携協定を結んだ。

国際日本文化学園は1995年に鬼一二三理事長が開学して以来、日本語のほか、柔道や空手も教えている。浜松医療学院は同学園から留学生を継続して受け入れ、柔道整復師の資格取得者を増やす方針だ。

カンボジアと日本 共通の伝統「凧揚げ」への思い

浜松での生活をスタートさせたソヘーンさんには、楽しみにしていることがある。カンボジアの伝統でもある凧揚げが大好きで、凧を自作するほど熱中している。5月の浜松まつりに関心を寄せ、「浜松に来たからには、絶対に凧を揚げたい」と意気込む。

入学式では、新入生108人と共に参列し、「カンボジアには入学式がない。日本らしさを感じた」と晴れやかな表情を浮かべた。カンボジアから駆けつけた鬼理事長は、「(生徒たちの)新たな進路ができてありがたい。両国がこれからもつながっていくことを願う」とあいさつした。

柔道整復師の需要と将来展望

柔道整復師は、骨折や脱臼、打撲など骨や筋肉の損傷に対し、投薬や手術を行わずに治療する国家資格者だ。専門学校や大学で基礎医学などを学び、資格取得後は医療機関や介護、スポーツの現場で活動している。

高齢化に伴い需要が増加しており、厚生労働省によると、資格取得者は2024年時点で7万8666人。2014年時点と比べて約1万4千人増加した。森島学園の森島康之理事長は、「カンボジアはこれからますます発展する中で、柔道整復師が役立てる機会が増えるのではないかと思っている。将来を見据え、地域を支える人材を育てていきたい」と語っている。

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