教室に生徒1人だけ「集中できる」小規模校ならではのメリットとは?文科省の統廃合手引改訂で懸念の声
教室に生徒1人だけ「集中できる」小規模校のメリットとは

文部科学省が公立小中学校の統廃合に関する「手引」の初改訂に乗り出した。町村などに多い小中各1校のみの自治体では、今後統合協議が進む可能性が高い。一方で、少人数を生かした教育を行う学校からは、小規模校が減少することへの懸念の声も上がっている。

全校生徒7人、常勤教員7人の環境

人口約500人の山梨県丹波山村にある村立丹波中学校は、全校生徒7人、常勤教員7人という環境を生かし、個人が学びたい内容をそれぞれのペースで学ぶ「自己調整学習」を導入している。

4月の午後、3年生の男子生徒は社会科の小俣渓和教諭と教室に2人きりで向き合い、パソコンを操作していた。19世紀にエネルギーが蒸気機関から電気に切り替わったことを学んだ際、その理由について疑問が湧き、自らネットで調べてメモにまとめることにしたという。

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男子生徒は授業後、「自分で決められて集中できるし、気になったことをすぐに聞ける」と少人数教育のメリットを語った。

少人数教育の利点、統合で損なわれる恐れ

丹波中では、1年生3人、2年生2人、3年生2人が在籍し、授業では個別指導や共同作業が頻繁に行われる。技術の授業では、教師と生徒が2人で向き合い、作業を進める場面も見られた。

このような環境は、生徒一人ひとりの学習スタイルや興味に合わせた指導を可能にし、深い学びを促進する。しかし、統廃合が進めば、こうしたメリットは失われる可能性がある。

名古屋大学大学院教授の内田良氏(教育社会学)は、統廃合には財政上のメリットがある一方で、学校が地域コミュニティの核として果たす役割も重要だと指摘する。

過疎地から学校が消える?

文科省の手引改訂により、過疎地での統廃合協議が加速するとみられる。しかし、小規模校の存続を望む声も根強く、今後の議論が注目される。

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