トヨタ自動車の源流にあたる豊田自動織機は6月1日、東京証券取引所と名古屋証券取引所で上場廃止となりました。77年間にわたる上場を終えた老舗企業は、短期利益を追う投資家のいる株式市場を離れ、物流の自動化など中長期の成長分野への投資に集中する方針です。
最終取引日とTOBの経緯
豊田自動織機は、最終取引日となった5月29日に「今後も人々の暮らしを支える産業と社会に貢献し続ける」とのコメントを発表しました。3月にはトヨタ自動車、トヨタの豊田章男会長、トヨタ不動産の3者が出資する会社による株式公開買い付け(TOB)が成立。5月12日の臨時株主総会で上場廃止に関する議案を可決していました。
フォークリフト世界最大手の歴史
豊田自動織機は、工場や倉庫で使用するフォークリフトの世界最大手です。1926年に設立され、東京証券取引所が戦後の売買を開始した1949年に上場した1社でした。同社は「再上場は予定していない」と説明しており、非上場企業として物流の自動化をはじめとする成長領域への投資に集中する考えです。
今後の展望
上場廃止後、同社は短期的な業績プレッシャーから解放され、長期的な視点で研究開発や設備投資に注力できる環境を整えます。特に物流業界の人手不足や効率化ニーズの高まりを受け、自動化技術の強化が期待されています。
豊田自動織機の上場廃止は、日本のものづくりを支えてきた老舗企業の新たな一歩として注目されています。



