皇族維持の養子案は合理的区別、差別ではない…百地章氏が主張
皇族維持の養子案は合理的区別、差別ではない

日本大学名誉教授で憲法学が専門の百地章氏(78)は、皇族数を維持するための養子案について、憲法が禁じる「門地による差別」には当たらず、合理的な区別であると主張した。皇室の構成員が16人にまで減少している現状を踏まえ、女性皇族が結婚後も身分を保持する案と、旧宮家の男系男子を養子として迎える案について、与野党が大筋合意したことを高く評価している。

男系男子に限定すべきとの立場

百地氏は、皇位継承資格は男系男子に限るべきだという立場を明確にしている。しかし、皇室の公的活動や国民との交流を今後も維持するためには、性別を問わずすべての皇族が重要な役割を果たすと考えている。現在の制度では、将来、秋篠宮家の長男悠仁さま(19)に皇室の務めが集中してしまう懸念がある。天皇家の長女愛子さま(24)や秋篠宮家の次女佳子さま(31)らが皇族として残れば、悠仁さまの負担が軽減されると述べた。

女性皇族の配偶者と子の皇族化は認められず

皇族の女性と結婚した民間人の夫やその子を皇族とする案については、前例がなく、認められないとする自民党などの主張は妥当だと指摘。配偶者らを皇族とすれば、母方のみ天皇の血を引く女系天皇の誕生につながる可能性があると懸念を示した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

養子案への疑問は杞憂

養子案に対しては、旧宮家に養子の希望者がいるのか疑問視する声があるが、百地氏は「杞憂ではないか」と反論。自身が旧華族の文献調査や関係者からの情報を基に作成した家系図によると、1947年10月に皇籍離脱した旧11宮家のうち、30歳以下の未婚の男系男子は今年4月時点で少なくとも11人確認されている。内訳は東久邇家に6人、賀陽家と竹田家にそれぞれ2人、久邇家に1人。これらの家系は現在の皇室と約600年前に祖先が同じ伏見宮家の系統で、現憲法下でも79年前に約5か月間皇族だった方の子孫にあたる。旧宮家の関係者からは、養子の打診があれば皇統を守るために応じる意向がある男性がいるとの情報を得ているという。

先例として宇多天皇と醍醐天皇

歴史的な先例として、平安時代の宇多天皇が約3年間皇室を離れて源姓を名乗った後、皇太子となり即位した事例を挙げた。さらに、宇多天皇の子である醍醐天皇も、皇籍を離れていた間に生まれたが、後に復帰して天皇となっている。これらの例は、皇籍離脱者が再び皇室に復帰する可能性を示している。

憲法解釈と差別論

養子案が憲法第14条の「門地による差別」に当たるとの指摘に対して、百地氏はこの規定は第3章「国民の権利及び義務」にあり、国家と国民の関係を定めるもので、第1章「天皇」が対象とする皇室には適用外だと説明。さらに、憲法は社会通念上合理的な区別を禁じておらず、皇族数が減少する中で皇室を維持するために養子を迎えることは区別に当たるが、差別ではないと強調した。

時限立法による特別措置を

今回の対応は皇室の危機を受けた特別な措置であり、両案とも恒久化せず、時限立法の特例法とすることが望ましいと提言。悠仁さまの結婚などを考慮すると、養子を受け入れる期間は20~30年が適切だと述べた。憲法は天皇の地位を「日本国民の総意」に基づくと定めており、国民の幅広い理解を得るために、与野党や政府は知恵を絞るべきだと訴えた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ