元衆院議長の大島理森氏は、皇位継承の安定に向けて世襲原則の重要性を強調し、国民に敬愛される環境を整える政治判断が極めて重要だと述べた。2017年に成立した上皇さまの退位特例法に関わった経験を踏まえ、今後の皇室のあり方について持論を展開した。
特例法成立時の付帯決議とその後の議論
大島氏は、2017年に衆院議長として上皇さまの退位特例法成立に関与した際、今後の皇室のあり方について幅広い議論が行われたことを振り返る。その中で、安定的な皇位継承を確保するための諸課題や女性宮家の創設等を検討するよう求める付帯決議が、各党・会派の協議を経てまとまったという。
二つの提案と残された課題
この付帯決議に基づき、与野党で議論が進められ、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案と旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案の二つについて各党・会派の見解が出そろった。大島氏はこの点に敬意を表しつつも、まだ乗り越えるべき課題が残っていると指摘する。
女性皇族の身分保持に関しては、配偶者の立場をどうするかが問題となる。配偶者を一般人のままとする場合、夫婦で身分が異なることへの考え方や、国民としての権利と義務を負う配偶者との関係について法整備が必要だ。国民の共感と理解を得られるよう、丁寧な説明が求められる。
旧宮家を対象とした養子案については、与野党である程度の共通理解ができつつあるが、やはり国民の理解と共感が必要であり、敬愛が醸し出される制度にしなければならないと強調する。
世襲原則と国民敬愛の環境
大島氏は、皇統のあり方を考える上で最も守るべき基本は憲法が明記する世襲の原則だと述べる。議長在任中の6年半、天皇・皇后両陛下(現在の上皇・上皇后両陛下)のお姿を拝見する機会が多く、公的行事などで努力され、国民に敬愛されている姿に頭が下がる思いだったと語る。
皇位の世襲とは、皇統とともに象徴天皇として日本と世界の平和や国民の安寧を祈る姿を世襲することではないか。主権者たる国民全体から敬愛される環境をどう作るかが、政治の判断として非常に重要だと強調した。
各党・会派と政府の責務
各党・会派は、今一度この点を意識し、残された大きな課題について共通認識を持つ努力が大事だと指摘。国会には各党・会派の総意を探る責務があり、多くの時間をかけて議論してきたのだから、おおむね合意できた点と意見が違う点を整理し、意見が違う点は理由とともに説明し、明らかにすることが必要だとする。立法府として内閣と国民に説明する責任を果たす時期に来ていると訴える。
その上で、政府がもう一度、有識者の意見を聞いたり、幅広く国民の意見を聞いたりすることもあっていいと提案。政府には皇室典範の改正案を作成していただきたいと述べた。



