海上自衛隊は2026年4月24日、掃海艇「うくしま」の火災・沈没事故に関する調査結果を公表した。2024年11月10日に福岡県宗像市沖で発生した火災は、燃料漏れが原因でエンジンの排気管から出火したと推定され、電源喪失により消火活動が困難になったことが主な要因とされた。
事故の経緯と原因
火災は訓練に向かう途中で発生。火元は船底に近いエンジンルームで、初期消火にあたった機関員(当時33)が死亡した。その後、艦内では一時「火災鎮圧」と判断されたが、再燃焼し、乗組員が別の船に避難した後の翌11日に沈没した。
燃料漏れと電源喪失
報告書によると、燃料が油管の接合部から漏れ出し、高温のエンジン排気管と接触して発火したと推定された。直後に黒煙で配電盤がショートし、電源が喪失。艦内マイクや消火用の海水ポンプが使用不能となり、遠隔操作でのエンジンや燃料供給の停止もできなくなった。
掃海艇特有の事情
「海の地雷」と呼ばれる機雷を処分する掃海艇は、磁気に反応する機雷への対策として多くが木製であり、「うくしま」も木造船体だった。鉄製と比べて船体深部に火だねが残っていても気づきにくく、「火災鎮圧」の誤判断につながったと指摘された。また、掃海艇は護衛艦より小型でスペースが限られ、予備の電源装置も設置できなかった。
再発防止策
海上自衛隊は再発防止策として、掃海艇の油管接合部の改修、木製船体の特性を踏まえた消火要領の検討、電源喪失時に対応した訓練の実施などを挙げた。
事故の背景
「うくしま」は進水から23年経過し、事故当時、掃海艦艇全18隻の中で3番目に古かった。建造費は139億円で、沈没後の引き揚げなどに44億円が費やされた。自衛隊の艦艇が火災により沈没するのは58年ぶりとなった。



