SNSの「病的使用」10代で7% 平日6時間以上ネット3割 依存傾向若年層で顕著
SNSの「病的使用」10代で7% 平日6時間以上ネット3割

国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)が実施した全国調査により、交流サイト(SNS)の使用時間を減らせないなどの依存傾向、いわゆる「病的使用」が疑われる人が10代で7.0%を占め、他の世代よりも割合が高いことが明らかになった。20代では4.7%、40代以降では1%未満にとどまった。

調査の概要と結果

調査は昨年1~2月、全国約400地点の住民計9000人(10歳以上80歳未満)を無作為抽出し、アンケート用紙を送付。4650人から有効回答を得た。SNSの病的使用の疑いは、海外で開発された手法を用いて評価。過去1年間に「使う時間を減らそうとしてもうまくいかないことがあったか」「費やした時間について両親や友人にいつもうそをついていたか」など9つの質問に「はい」「いいえ」で回答してもらい、5つ以上「はい」と答えた人を病的使用が疑われると定義した。

年代別の割合は、10代7.0%、20代4.7%、30代1.1%、40代0.8%、50代0.6%など。病的使用が疑われるグループでは、ネット利用時間が1日に「6時間以上」の人が平日で30.0%、休日で62.0%を占め、そうでないグループより高かった。

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専門家の見解

久里浜医療センター名誉院長の樋口進氏は「SNSの病的使用に関する一般住民を対象とした全国調査は珍しい。10代で非常に高い割合を示しており、外来診療では保護者が制限しようとしても子どもが暴言や暴力で反発するケースもある」と指摘。その上で「本人に『行動を変えないといけない』という意識を持ってもらうことが重要。スマートフォンを取り上げるような厳格な対応より、子どもの意見も聞き『SNSを使うのは何時まで』など一つルールを決める方が守りやすい」と述べ、相談場所や治療の受け皿の整備も求めた。

家庭でのルール作り

久里浜医療センターは、子どものスマートフォン使用に関する家庭でのルール作りのポイントとして、「買う前に決める」「使用場所、時間を決める」「違反があった時の対応」「長期休みに注意」「親が模範となる」などを挙げている。

街の声と規制の動き

インフルエンサーとして活動する名古屋市の奥村利生さん(29)は1日3時間ほどSNSを利用し、「ドラマもニュースもSNSから情報が入る。無いと生きていけない」と話す。高校生の時からSNSを使用しており、10代の依存傾向の高さに驚きはないが、「危険な人とつながってしまう恐れがあり、利用に年齢制限はあるべきだ」と語った。

中学2年の長男がいる同市中川区の女性(45)は、使いすぎを防ぐため、家庭のルールで子どもが就寝時にスマートフォンを自分の部屋に持ち込むことを制限している。それでも「(息子が)またスマホを見ているな」と気にかかるが、SNSが連絡手段としても使われるため「必要なツールとは思う」と述べた。

政府は、利用者の年齢確認の厳格化をSNS事業者に求める規制強化に乗り出す。高校3年と中学1年の娘がいる同市熱田区のパート女性(51)は「SNSには良くない面があるというメッセージを発するためにも、一定の規制があっていいのでは」と話した。

子どものSNS利用を巡っては、犯罪などトラブルに巻き込まれる恐れや、インターネットの不適切利用と精神的不調との関連を指摘する研究結果も出ている。オーストラリアをはじめ海外で10代のSNS利用を規制する動きが広がる中、日本の総務省やこども家庭庁が青少年保護のため対応を議論している。

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