長崎原爆の被爆者である川副忠子さん(82)ら3人が、米ニューヨークで開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に参加し、帰国報告の記者会見を長崎市内で開いた。川副さんは「『核兵器はなくさなければいけない』という思いを人々に伝えることができた」と述べ、22日まで続く再検討会議で各国が合意文書を採択できるよう強い願いを表明した。
被爆者の訴えと国際社会への期待
川副さんら3人は、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の派遣団の一員として4月25日に渡米。現地では核廃絶を求めるパレードに参加したほか、国連本部内で開かれたサイドイベントで被爆体験をスピーチし、核兵器の非人道性を訴えた。5月2日に帰国した川副さんは、合意文書採択に向けて「多くの国が加盟するNPTを軽視しないよう、各国が努力してほしい」と語り、国際社会の結束を求めた。
高校生平和大使の活動と決意
同じく派遣団に参加した「高校生平和大使」の長崎県立長崎南高3年、才津結愛さん(17)は、海外の若者たちと交流した経験を振り返り、「核廃絶という目標に向けて、一人でも多くの人を巻き込み、声を上げ続けなければならないと強く感じた」と決意を新たにした。才津さんは、若い世代が核問題に関心を持ち、行動を起こすことの重要性を強調した。
今回のNPT再検討会議では、核廃絶に向けた具体的な進展が期待されているが、核保有国と非核保有国の間で意見の隔たりが大きく、合意文書の採択は難しいとの見方もある。被爆者らは、自身の体験を語り継ぐことで、世界に核兵器の恐ろしさと平和の尊さを訴え続ける決意だ。



