静岡の名物CM「どんどん」34年目、元ミスしずおかが語る出演秘話
静岡「どんどん」CM34年 元ミスしずおかが語る思い

「さて問題です。今話題のハッピーグルメ弁当とは?」。このフレーズを聞けば、静岡県民なら思わず「どんどん…?」と答えてしまうだろう。そんな昔から変わらない「お弁当どんどん」のテレビコマーシャル(CM)について、その歴史と背景を取材した。古い映像でありながら、なぜ今も放送され続けているのか。調べてみると、関係者の郷土愛が浮かび上がってきた。

34年目を迎えた名物CM

静岡県を中心に愛知県東三河や神奈川県などで弁当店70店舗を展開する「どんどん」(静岡市清水区)。同社によると、あのCMは1992年に県立大芝生園地(同市駿河区)で撮影され、1993年から放送が開始された。今年で34年目を迎える。

演出は、当時人気を集めたテレビ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を模したものだ。「お弁当といえばどんどん、という言葉が頭に残るように制作したと聞いています」と、同社本部で広報を担当する亀石直樹さんは明かす。

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出演者は元ミスしずおか

CMに登場する早押しクイズの解答者は、有森なつかさん。静岡市出身で、1988年の第4代ミスしずおか。春の風物詩である静岡まつりの大御所花見行列では、徳川家康の正室・御台所役を務めた経験も持つ。

CM撮影当時、有森さんは地元のモデル事務所に所属したばかり。オーディションを「ノリと勢い」で勝ち抜いたという。当初は3カ月程度の放送と聞かされていたため、「まさか今でも続いているなんて思わなかった」と驚きを隠さない。

その後、アナウンサーとなり、2017年からは歌手として静岡を中心に活動する有森さん。「おとなしくて、楽しくてもそれを表現するのがへたな県民性。人前に立ってきた経験を生かして、私にしかできないことをしよう」と、地元密着でステージに立つ。

CM出演への思い

あのCMに出演していることを公言し始めたのは最近のことだ。恥ずかしさもあったが、言うきっかけがなかった。しかし、マイクを握るうちに「お客さんとの共通項がある方が、みんなが心を開いてくれる」と感じるようになったという。

コンサートなどの合間の昼食時には、スタッフが気を利かせて同社の弁当を手配するという。「『おいしさどんどん、お弁当どんどん』というフレーズを知らない人はいない。そういう意味でも歌の力、言葉の力ってすごい。どんどんがあったから、今の私がある」とかみしめている。

地域密着の姿勢

同社は2010年代に別バージョンのCMを流したこともある。しかし、本家の知名度が高く、惜しむ声が多く寄せられたため、元のバージョンに戻した。広報の亀石さんは「どんどんも地域密着を大事にしている。引き続き、皆さまにハッピーグルメ弁当を愚直に届けていきたい」と強調する。ちなみに、ハッピーグルメ弁当とは商品名ではなく、どんどんの弁当の「総称」なのだとか。

取材後記

「学生服のやまだ」や「好光人形」など、耳に残るローカルCMが多い静岡県。その中でもどんどんのCMは最も古い。有森さんと初めてお会いし、静岡県で生まれ育った記者は感動を覚えた。有森さんは現在、BS12チャンネルで毎週水曜午前4時半から放送されている焼津市発の音楽情報番組「歌う黒はんぺんTV」の進行役を務めているので、早起きの方はぜひチェックしてほしい。

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