視覚障害のある子どもたちが動物の姿を触って理解できるようにと、岡山県立岡山盲学校(岡山市中区)に、動物の模型を集めた「触れるどうぶつえん」が開園した。模型は、点訳ボランティアや難民支援などに取り組む埼玉県寄居町の田中博さん(76)が寄贈。子どもたちは「おかもうふれあいパーク」と名付けて親しんでいる。
精巧な模型に触れて学ぶ
校舎3階の生徒会議室には、高さ約1.7メートルのキリンや、立派なたてがみのオスのライオン、シカ、スズメ、イヌ、ウサギなど、動物園の人気者から身近な鳥類や小動物まで、精巧な模型28体が並べられている。毛や牙などの質感もリアルに再現されている。
記者が取材した27日には、同校に通う中高生5人が模型のしっぽや耳、足など隅々まで手で触って楽しんだ。高校3年の女子生徒(17)は「わくわくした。キリンの首は、思ったより長かった」と笑顔で話した。
きっかけは全盲男性の一言
田中さんが模型の寄贈を始めたのは、以前ボランティアで知り合った全盲の高齢男性が「いまだにイヌの姿が分からない」と話しているのを聞き、衝撃を受けたからだ。「動物の姿を知ってもらいたい」との思いから、2023年から全国の特別支援学校などに購入した動物模型を贈るプロジェクトを開始。埼玉県や広島県、青森県などに続き、今回で13か所目となる。
20日の開園初日に立ち会った田中さんは、子どもたちの様子を思い返し、「大喜びしてくれているのが伝わってうれしかった。一頭一頭じっくり触って、動物の形を感じ取ってもらえれば」と話した。
地域にも開放へ
同校の梅田裕子校長によると、動物の形を楽しみながら体験できるため、子どもたちに会話が生まれたり、興味が広がったりしているという。ふれあいパークは常設で、今後は目の見えない乳幼児や地域住民にも開放する予定。梅田校長は「子どもたちが田中さんの思いを知って、『自分も誰かのために何かしたい』と考えるきっかけになれば」と期待を込めた。



