静岡県と御前崎市は28日、中部電力浜岡原発(御前崎市)において、運転停止中の安全確保を目的とした中部電力の取り組み状況を現地で確認した。今年1月に浜岡原発の再稼働審査を巡るデータ不正が明らかになって以降、県と市による合同点検はこれが初めてとなる。担当者は使用済み核燃料の保管状況や異常検知設備の機能を詳細に確認した。
燃料プールの現地点検
県と市の担当者5人は、4号機原子炉建屋内の燃料プールに立ち入り、双眼鏡を使用して使用済み核燃料が設計通りにラックに収められているかどうかを確認した。また、中部電力側の記録をもとに、放射線の異常を検知した際に警報を発する設備が正常に動作するかどうかも検証した。
保管状況と冷却の必要性
中部電力によると、現在も原発構内には合計6542体の使用済み核燃料が保管されている。燃料としての役割を終えた後もこれらの燃料は熱を放出し続けるため、原子炉が停止している間も燃料プール内で継続的に冷却する必要がある。この点検は、そうした安全管理が適切に行われているかを確認する重要な機会となった。
点検範囲の拡大
県原子力安全対策課の神村典浩課長は、「保守点検が確実に実施されていることを現地で確認できた」と総括した。今後も随時、他の設備についても確認を進める方針だ。以前の点検は、東日本大震災後に中部電力が実施した津波対策の防潮堤などの事故対策が対象だったが、データ不正を受けて、震災以前から存在する既存設備や1、2号機の廃炉作業にも点検範囲を拡大している。
所長の謝罪と決意
浜岡原発の椎名浩成所長は、データ不正について改めて陳謝した上で、「安全最優先で業務に取り組み、情報発信に努めることの積み重ねが信頼回復につながると考えている」と述べた。県と市は今後も定期的な点検を継続し、原発の安全性を監視していく。



