警視庁特別捜査課は26日までに、海外の特殊詐欺拠点でかけ子として従事させる目的で、東京・新宿区歌舞伎町のいわゆる「トー横」地区で女性を誘拐したとして、指定暴力団住吉会系組員の山尾輝斗容疑者(25歳)を国外移送目的誘拐の疑いで逮捕した。山尾容疑者は東京都新宿区在住とみられる。
事件の経緯と捜査の背景
警視庁は昨年末、特殊詐欺に関連して「トー横」に集まる若者たちがカンボジアに派遣されているとの情報を入手し、捜査を開始。特別捜査課は、山尾容疑者が複数の男女をカンボジアなどの海外の特殊詐欺拠点に送り込んだ疑いがあるとみて、詳しい実態解明を進めている。
逮捕容疑の詳細
逮捕容疑は昨年、新宿区歌舞伎町において、千葉県在住の女性に対し「シンガポールに行って内臓を売れよ」などと脅迫的な言葉を浴びせ、同区内のインターネットカフェに見張りをつけて滞在させ、国外移送を企てたというもの。警視庁は、山尾容疑者が組織的に若者を海外の詐欺拠点に送り込む「ブローカー」的な役割を担っていたとみて、さらに余罪についても追及する方針。
「トー横」は、歌舞伎町のTOHOシネマズ付近に集まる若者たちのたまり場として知られ、近年は特殊詐欺や売春などの犯罪に巻き込まれるケースが問題視されている。今回の逮捕は、こうした背景にある組織的な人身売買の一端を暴くものとして注目される。



