投資顧問会社社長らに対する強盗殺人罪などで死刑が確定した岡本啓三元死刑囚(当時60歳)が再審請求中の2018年に死刑を執行されたのは弁護権の侵害で違法だとして、元弁護人3人が国に計約1650万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(谷口安史裁判長)は13日、請求を棄却した一審大阪地裁判決を支持し、原告側の控訴を退けた。
事件の経緯と訴訟の背景
確定判決などによると、岡本元死刑囚は1988年に大阪市内で投資顧問会社の社長から1億円を奪い殺害したとして、2004年に死刑が確定。その後、第4次再審請求中の2018年に死刑が執行された。元弁護人らは2020年に国を相手取り、再審請求中の執行は弁護権を侵害する違法な行為だとして損害賠償を求めて提訴した。
一審判決と控訴審の判断
一審の大阪地裁は2022年、再審請求中の執行が直ちに違法とは言えないとして請求を棄却。原告側はこれを不服として控訴していた。控訴審の大阪高裁も同様の判断を示し、一審判決を支持。原告側の控訴を退ける結果となった。
判決後、原告側の弁護士は「再審請求中の死刑執行は重大な人権侵害であり、司法の判断は遺憾だ」とコメント。一方、国側は「適法な手続きに基づく執行であり、判決は妥当」との見解を示している。
本件は、再審請求中の死刑執行の適法性が争われた点で注目を集めた。最高裁判例では、再審請求中であっても死刑執行が直ちに違法となるわけではないとされているが、弁護権の観点から問題提起がなされていた。
今後の展望
原告側は上告を検討するとみられ、今後の最高裁の判断が注目される。また、この訴訟は死刑制度のあり方や再審請求中の権利保護について改めて議論を呼ぶ可能性がある。



