アジア最大級の犯罪集団として米英政府から経済制裁を受けたカンボジアの中国系組織「プリンス・グループ」の幹部が、制裁発表後も日本に複数回出入国していた可能性が高いことが、共同通信の分析で明らかになった。この組織は国際的な特殊詐欺や人身売買に関与しているとされ、幹部らも制裁対象となっている。米韓や台湾の当局が資産没収などに取り組む一方、日本では犯罪収益の没収に関する法整備が遅れており、幹部が身の安全確保と資産保全を目的に日本を利用した可能性が指摘されている。
出入国を繰り返した幹部とその手口
出入国を繰り返していたとみられるのは、米英政府が制裁対象に指定した陳小二幹部。陳幹部は、現在中国で拘束中のプリンス・グループ本体のトップ、チェン・ジー会長の指南役とされる。共同通信は、米英が制裁を発表した昨年10月14日以降、航空機の信号を集約する「フライトレーダー24」と「ADS-Bエクスチェンジ」のデータを分析。その結果、サンマリノ籍で機体番号「T7-CLN」の小型機が、成田空港とプノンペン間を制裁発表前後に1回、その後2回往復していたことが判明した。
日本の法整備の遅れが生むリスク
日本では、犯罪収益の没収に関する法律が十分に整備されておらず、外国の制裁対象者が資産を隠蔽する拠点として悪用される懸念が高まっている。専門家は「日本の制度の隙間を突いたケースであり、国際的な犯罪対策の観点からも早急な法改正が必要だ」と指摘する。一方、プリンス・グループはカンボジアを拠点に、東南アジア全域で詐欺や人身売買を展開し、巨額の利益を得ていたとみられる。
- 米英政府は昨年10月、プリンス・グループをアジア最大級の犯罪組織として経済制裁
- 制裁対象の陳幹部が日本に複数回入国した可能性
- 日本の資産没収法制の不備が犯罪収益の隠蔽を許すリスク
共同通信は、東京と香港の取材班が連携し、この問題を追跡している。今後の捜査や国際的な協力の進展が注目される。



