大塚製薬の男性社員が過労により自殺した問題で、男性の母親である下山たみ子さん(71)ら遺族が22日、東京都内で記者会見を開き、会社の労働時間管理の不備を指摘するとともに、政府に対して「働き方改革を進め、健康で働ける環境づくりに力を注いでいただきたい」と訴えました。
事件の経緯と判決
亡くなったのは達也さん=当時(31)。2016年に長崎市の出張所に配属され、2018年4月に自殺しました。両親が遺族補償給付などを請求したものの、長崎労働基準監督署は業務との関連性を認めませんでした。しかし、今年4月15日の東京地裁判決では一転、業務との因果関係が認められ、労基署の不支給処分が取り消されました。
遺族の訴え
会見で下山さんは「会社は労働時間を適切に管理しておらず、長時間労働が続いていた」と述べ、企業の安全管理責任を厳しく批判しました。その上で、「同じような悲劇を繰り返さないためにも、政府には実効性のある働き方改革を推進してほしい」と要請しました。
遺族側は、過労死の防止に向けて労働時間の上限規制の徹底や、メンタルヘルス対策の強化が必要だと強調。また、企業に対しては従業員の健康管理を最優先するよう求めました。
今後の展望
今回の判決は、過労死認定の基準において重要な先例となるとみられます。遺族は今後、会社側との協議を続ける方針で、労働環境の改善を求めていく考えです。



