ケアマネへのカスハラ深刻、福岡県が相談センター開設 暴言など精神的暴力が223件
ケアマネへのカスハラ深刻、福岡県が相談センター開設

埼玉県川口市の住宅で、ケアマネジャー(介護支援専門員)の女性が血を流しているのが見つかり、その後死亡した事件で、女性が玄関内で住人の男に襲われたとみられることが、県警への取材でわかった。同県では4年前にも医師が訪問先で殺害される事件が起きており、訪問診療や介護に従事する人々への安全対策の必要性が改めて浮かび上がった。

業界団体が声明「断固として許されない」

ケアマネジャーの業界団体「日本介護支援専門員協会」(東京)は2日、柴口里則会長名で、「事件はいかなる事情があるとしても、断固として許されるものではない」などとする声明を出した。

カスハラ深刻化、約3割が経験

利用者宅を訪れ、生活支援を行う訪問介護の現場では、利用者や家族からのカスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化している。協会が昨年11~12月に行った調査では、ケアマネジャーの約3割が過去1年間に、言葉の暴力や精神的な攻撃などを経験していた。「誰から受けたか」を複数回答で尋ねると、約7割は利用者の家族などで、利用者本人は約4割だった。

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川崎市のケアマネジャーの女性(60)は訪問の際、泥酔した家族にどなられたことがあり、一度帰って訪問を改めたこともある。「密室に一人で入るので、正直こわい」と話す。

福岡県が相談センター開設、348件の相談

ケアマネジャーのカスハラ対策は九州でも強化が図られている。福岡県は2024年6月、ケアマネジャーや介護職員を対象とした相談センターを開設した。臨床心理士と精神保健福祉士が暴言、暴力に関する相談に応じる。

センターによると、今年3月末までに348件の相談があり、暴言や長時間の電話対応などの精神的暴力が223件、セクハラと身体的暴力が各15件。緊急性が高く、県警に情報提供した相談もあった。担当者は「現場でのカスハラは深刻。悩んだらすぐ相談してほしい」と話す。

人手不足の中、事件がイメージ悪化懸念

日本ホームヘルパー協会(東京)の松下みゆき会長は「現場はただでさえ人手不足。事件によって、私たちの仕事に対する『怖い』『難しい』というイメージが加速しないか」と気をもむ。

専門家「組織的な対応が大切」

医療・介護現場の暴力対策に詳しい関西医科大学の三木明子教授(精神保健看護学)は「トラブルのある訪問先の情報共有や危険を事前に回避する研修のほか、警察や関係機関への通報や相談など、事業所の組織的な対応が大切になる」と話す。

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