原野商法の二次被害が深刻化、相談者の9割が60代以上に
原野商法二次被害、相談者9割が60代以上

原野商法による被害が、半世紀以上を経た現在も続いている。特に二次被害と呼ばれる手口が深刻化しており、相談者の約9割が60代以上の高齢者であることが明らかになった。

原野商法とは

原野商法は、「リゾート開発の計画がある」などと虚偽の説明を行い、実際には価値の低い原野を高額で販売する悪質な商法である。高度経済成長期の1960年代に始まったとされるが、現在もその被害は収まっていない。

相談件数の推移

国民生活センターのデータによれば、原野商法に関する相談は2017~18年度に2千件を超えていた。消費者庁などの注意喚起によりその後は減少したものの、ここ5年ほどは400~500件の間で推移している。2024年度の相談件数は471件で、そのうち約7割が二次被害に関するものであった。また、相談者の約9割は60代以上であり、高齢者が主な標的となっている。

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被害事例

東京都内のある夫婦は、計3回も被害に遭っている。まず夫が1970年代に栃木県那須塩原市の「原野」(登記簿上の地目)を購入させられた。夫の死後、その原野を相続した80代の妻のもとに業者が訪れ、同じ市内の別の地域の「山林」と「雑種地」を売りつけた。さらに妻は同県日光市の「山林」も2カ所購入させられ、被害総額は約1千万円に上る。

業者の手口

業者の手口で特に多いのは「下取り型」と呼ばれる手法である。「あなたが持っている原野を買い取る」と近づき、別の原野を「節税対策」などと称して販売する。その他にも、「土地を買い取るために調査や整地が必要なので費用を払ってほしい」と迫る「サービス提供型」や、「あなたの土地をずっと管理してきたので費用を払ってほしい」と突然請求する「管理費請求型」などがある。

高齢者の心理と対策

過去に原野商法の被害に遭い、価値の低い土地を長年保有し続けてきた高齢者は、「子どもに相続させて迷惑をかけたくない」という強い思いを抱えている。業者はこのような心理につけ込んで二次被害を引き起こす。原野商法の被害に詳しい西銀座法律事務所(東京)の島幸明弁護士は、「『土地を買い取る』『あなたの土地を買いたい人がいる』といったうまい話ほど疑ってかかってほしい。困ったら消費生活センターや家族にすぐに相談してほしい」と注意を呼びかけている。

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