東証グロース市場に上場し、ネット広告などを手がけるバリュークリエーション(東京)は8日、KDDIの子会社であるジー・プランとの間で多額の架空循環取引が行われていたと公表した。過去8年間で999億円が架空取引により流入し、うち16億円を売上高として計上していた。バリュー社側は不正の認識はなかったと説明しているが、実在しないネット広告の売上が2023年の上場前後も計上され続け、主幹事証券や監査法人も異常に気づけなかった。
架空取引の実態
同日公表された特別調査委員会(委員長・大下良仁弁護士)の報告書によると、架空取引の入金額は2026年2月期までの8年間で999億円に上り、そのうち16億円を売上高に計上していた。バリュー社はジー・プランからネット広告の案件を受注し、指定された先に発注する形で資金を受け流し、手数料を得ていた。
取引の開始と経緯
報告書などによると、バリュー社はジー・プランが2018年に架空取引を始めた際の取引先の一つとされ、支払い(出金)を先に行うことで循環資金の供給元にもなった。不正を主導したジー・プランの担当者から、以前に同じ会社で働いたバリュー社の担当役員が依頼を受けた。具体的には、「広告運用で既存取引先との間に入ってほしい」「具体的な実務はなく、書類の授受と代金支払いのみ対応してほしい」「支払いを先行させてキャッシュフローを負担してほしい」などと頼まれ、取引を開始した。
担当役員を含む2人で対応や業務をこなし、昨年11月に取引が止まるまで架空取引とはわからなかったとしている。監査法人が成果物の確認を試みたが、実態を把握できなかった。
影響と今後の対応
この架空取引により、バリュー社の財務諸表に虚偽の売上が計上されていたことになる。同社は上場企業としての信頼を大きく損なう事態となり、今後の業績や株価への影響が懸念される。また、KDDIグループ全体の不正会計問題がさらに拡大する可能性もある。



