佐賀県が50年かけて開発した次世代スギ「サガンスギ」の苗木86本が、同県多久市の所有する山林から無断で抜き去られていたことが4日、県への取材で分かった。県の担当者は「目的は不明だが、県が大切に育ててきたスギを持ち去る行為はやめてほしい」と訴えている。
発見の経緯
県によると、今年1月にこの山林に植えられたサガンスギの苗木3150本のうち、86本がなくなっているのを、5月25日に多久市から委託された業者が巡回中に確認した。苗木の高さは30~50センチで、引き抜かれた形跡があった。市は警察に被害届を提出した。
サガンスギの特徴
サガンスギは、県が1965年から品種開発に取り組んできた。従来のスギに比べて成長が1.5倍速く、約30年で木材として利用可能。強度も1.5倍で、花粉量は従来品種の半分以下という三拍子そろった全国初のスギとして2021年に品種登録された。
門外不出の取り扱い
県は苗木が県外に流出しないよう「門外不出」で厳重に管理してきた。2022年2月に出荷が始まり、約14万9千本が県内7市町に植えられた。県は「サガンスギの森林100年構想」を掲げ、県内のスギをすべてサガンスギに置き換える計画だ。
苗木は従来種より割高な1本225円で、今回の被害額は約1万9350円。苗木だけではサガンスギと判別するのは難しいという。抜き去り被害は初めてで、県は林業関係者に注意を呼びかけている。



