大麻摘発者数が過去最多を記録、若年層の占める割合が7割超に
昨年、全国における大麻事件の摘発者数は、前年比で754人増加し、6832人に達しました。これは過去最多の数値であり、深刻な社会問題として浮き彫りになっています。特に注目すべきは、20代以下の若年層が摘発者の7割以上を占めている点で、若年層への薬物の浸透が急速に進んでいる実態が明らかになりました。
若年層への影響と大麻の危険性
大麻は、大麻草の花や葉から製造される違法薬物です。依存性が高く、幻覚作用や学習・運動能力の低下、うつ病をはじめとする精神疾患を引き起こすことが知られています。さらに、成長期の脳の発達に悪影響を及ぼすことも科学的に確認されており、若年層にとっては特に危険な物質と言えます。
県警の摘発事例では、所持や使用などの容疑で48人が摘発され、このうち32人が若年層でした。大麻は交流サイト(SNS)などを通じて容易に入手でき、他の違法薬物に比べて安価であることから、「ゲートウエードラッグ(入り口の麻薬)」と称されることもあります。より深刻な薬物依存に陥らないためにも、若年層を大麻から遠ざけることが急務です。
使用拡大の背景と防止対策の強化
近年では、大学の運動部に所属する学生がまとまって摘発されるなど、多人数に使用が広がるケースが目立っています。警察庁の調査によると、大麻を初めて使用するきっかけのうち、6割超が「友人などからの誘い」でした。このことから、周囲の影響が大きな要因となっていることが分かります。
大麻の所持や使用は、自分自身や周囲の人々の平穏な暮らしを破壊する可能性があります。誰かに誘われた場合には、あいまいな受け答えをせず、きっぱりと拒絶することが重要です。県や県警は、大学生や中高生を対象とした薬物乱用防止教室を増やすなど、違法薬物の害についての周知を強化しています。
しかし、SNS上には「身体への悪影響がない」など、使用への罪悪感を低下させる誤った情報があふれています。若年層がこうした情報に惑わされ、犯罪であると知っていても「一度ぐらいなら大丈夫」と安易に考えないよう、正しい知識の浸透が求められています。
環境の根絶と社会全体での支援
若年層が容易に大麻を入手できる環境の根絶は急務です。警察は、一昨年施行された使用罪などを活用し、大麻犯罪の摘発を徹底する必要があります。また、国は、SNSを通じた違法な薬物売買の情報や、誤った認識を与える情報の削除を、SNSの運営会社に強く求めていくべきでしょう。
大麻に依存する人の更生をどう図るかも大きな課題です。社会復帰がうまくいかなければ、孤独感が深まるなどして、再犯のリスクが高まります。県精神保健福祉センターでは、薬物依存についての相談窓口を設け、専門医の紹介などを行っています。相談の秘密は厳守され、依存症に苦しむ人の家族が対処法を学ぶ教室も開かれています。
大麻をはじめとする違法薬物の依存症に悩んでいる人や家族が、自分たちだけで問題を解決するのは困難です。社会全体で支える体制の構築が強く求められています。



