京都信用保証協会が中小企業などの借金返済を肩代わりする「代位弁済」が、2025年度に府内で件数・金額ともに前年度を上回り、5年連続の増加となった。コロナ禍の資金支援で膨らんだ借金に、物価高や人手不足が追い打ちをかけ、資金繰りが一段と厳しさを増している実態が浮き彫りになった。
代位弁済の現状と推移
京都信用保証協会が発表した2025年度事業概況によると、代位弁済の件数は前年度比7.4%増の1131件、総額は同13.2%増の199億円に達した。2020年度と比較すると約3.4倍に膨らんでおり、中小・零細企業を中心に経営環境の悪化が顕著だ。
業種別の内訳
業種別では、小売業が206件(34億円)で最も多く、以下、建設業203件(33億円)、製造業185件(38億円)、サービス業181件(23億円)、卸売業169件(38億円)と続いている。特に小売業と建設業では、コロナ融資の返済負荷に加え、原材料費や人件費の高騰が経営を直撃している。
倒産の先行指標としての警戒
代位弁済は倒産の「先行指標」とされており、専門家の間で警戒感が強まっている。帝国データバンク京都支店によると、宇治市の平等院近くで営んでいた創作居酒屋の経営会社が2026年4月30日、京都地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約5000万円に上る。
同社は2018年11月に創業し、地域住民と観光客を対象に順調に営業していたが、コロナ禍で売り上げが激減。コロナ融資で運転資金を賄ったものの、収益性は悪化の一途をたどった。2023年以降、返済負担と食材・人件費の高騰が重なり、2025年には京都信用保証協会から代位弁済を受け、事業停止に追い込まれた。
代位弁済後の返済負担
中小企業が代位弁済を受けると、借金の返済先が金融機関から信用保証協会に移る。協会は一括返済を求めるが、必ずしも倒産に直結するわけではない。ただし、遅延損害金が新たに発生するなど、返済負担が増すことは避けられない。
専門家の見解
東京商工リサーチ京都支店情報部の山田宏明課長は「代位弁済を受けた企業すべてではないが、弁済後も資金繰りがうまくいかず、数か月後に倒産する『息切れ倒産』が発生する。この傾向は今年度も続くのではないか」と分析する。
信用保証協会の役割
信用保証協会は、中小企業や個人事業主が金融機関から融資を受けやすくするための公的機関で、各都道府県に設置されている。事業者は保証を受ける際に信用保証料を支払う。返済不能になった場合、協会が代わりに返済(代位弁済)を行うが、事業者の借金が帳消しになるわけではなく、協会への返済義務が残る。



