40年来の謎が解けた!新種のウツボ2種を確認、えのすい飼育員が気付く
40年来の謎解けた!新種ウツボ2種確認、えのすい飼育員気付く

神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館(えのすい)や小田原市の県立生命の星・地球博物館などの共同研究により、1980年代から正体不明だった2種のウツボが新種であることが確認されました。この研究成果は日本魚類学会の英文誌「Ichthyological Research」に掲載されました。

飼育員の気付きが端緒に

2021年、えのすいの飼育員で学芸員の藤田温真さん(28)が、江の島片瀬漁協の漁師からアナゴ筒漁で捕れたウツボを受け取った際、白い斑紋のあるウツボが、写真資料で見たことのある「未記載種」ではないかと気付きました。これが研究の始まりでした。

4年以上の分析を経て新種と断定

その後、4年以上かけて形態や遺伝子情報を詳細に分析。これまでに認定された230種のウツボのどれとも異なる種であることを突き止めました。あごに並ぶ白い斑紋が泡のように見えるウツボを「アワウツボ」、茶色の体で目の周りに黒い縁取りがあるものを「サガミウツボ」と命名しました。

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温帯域での生息が明らかに

ウツボの多くは熱帯のサンゴ礁域に生息しますが、今回の記載により、相模湾や駿河湾など温帯域のみで生息が確認されている種もいることが分かりました。今後の調査で、日本近海の生態系や種の多様性の解明が進むことが期待されます。

73年ぶりの新種記載

2種はいずれも「アラシウツボ属」として記載されました。同属の新種記載は73年ぶりです。藤田さんによると、アラシウツボ属とウツボ属など、属の分類で混乱が生じているとの指摘もあり、今回の記載が分類見直しのきっかけになるかもしれません。

命名の意義と今後の展望

藤田さんは「名前がないと生息データも存在しない『透明な存在』になってしまうため、命名は大切。身近な海にも、まだ名前のついていない生き物がたくさんいる。アワウツボとサガミウツボの命名が、海への関心を持つきっかけになってくれればうれしい」と語っています。

えのすいでは現在、アワウツボの生体と標本、サガミウツボの標本を展示しています。

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