四日市市浸水駐車場、復旧費32億円と試算 市の第三セクター所有部分、追加対策でさらに膨らむ見通し
四日市市浸水駐車場、復旧費32億円試算 追加対策で膨らむ

浸水駐車場の復旧費用、市試算で32億円

昨年9月の大雨で浸水した三重県四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」について、市は破産手続き中の第三セクター「ディア四日市」が所有する部分を浸水前の状態に戻すために約32億円が必要との試算をまとめたことが、関係者への取材で明らかになった。この金額には追加の浸水対策や駐車場の取得費は含まれておらず、総事業費はさらに膨らむ可能性がある。市は公共事業として地下駐車場を復旧させる方針を示している。

複雑な所有構造が復旧の壁に

「くすの木パーキング」は、市道「中央通り」の地下部分をディア四日市が、国道1号の地下部分を国がそれぞれ所有する複雑な構造となっている。復旧に向けて国は設計や工事の発注を進める一方、破産したディアの所有部分を取得して復旧したい市の動きは停滞。足並みがそろわない中、市側の試算が総工費の3分の2に上ることが判明し、営業再開への道筋は一層不透明さを増している。

試算の内訳と追加費用

関係者によると、市は昨年12月から今年2月にかけて、建設コンサル業者に依頼しディア所有部分の被災状況を調査。図面を基に概算の復旧費を算出し、傷んだ壁面や床、天井、設備を被災前に戻すために32億円が必要と弾き出した。ただし、この中には止水板の自動化や出入り口のかさ上げなど、有識者検討委員会の提言や国土交通省のガイドラインに基づく追加対策費用は含まれていない。市はディア所有部分を取得する方針だが、破産管財人との交渉は難航しており、取得は早くても今月12日の債権者集会以降になる見通し。試算の32億円には取得費用も含まれていない。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

市長の見解と今後の見通し

森智広市長は5月18日の会見で、復旧費用について明言を避ける一方、「追加の浸水対策には国の支援メニューがついたが、復旧自体は完全に自前になる」と述べ、駐車場を使用可能にする工事費は全額市費となる見通しを示した。工事期間については「1年では終わらない」との考えも明らかにした。

国所有部分の復旧状況

一方、国道1号地下の国所有部分では、国土交通省が既に設計や工事2億1千万円余の発注に着手している。本年度もさらに10以上の工事や業務委託を発注する方針だが、国交省三重河川国道事務所は「全体の工期や費用の見通しは立っていない」として復旧費用の総額を明らかにしていない。

駐車場の歴史と総工費

くすの木パーキングは1997年に開業。ディア所有部分の総工費は約48億円、国所有部分は同時に作られた共同溝などを含め約94億円となっている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ