妊婦死亡事故で禁錮3年求刑 遺族「生活の根幹が揺らぎ続けている」
妊婦死亡事故で禁錮3年求刑 遺族「生活揺らぎ続けている」

妊婦死亡事故で禁錮3年求刑 遺族は「生活の根幹が揺らぎ続けている」と悲痛な訴え

愛知県一宮市で昨年5月、妊娠中の女性が車にはねられ死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた児野尚子被告(50)の公判が22日、名古屋地裁一宮支部(鳥居俊一裁判長)で開かれた。検察側は禁錮3年を求刑し、弁護側は寛大な判決を求めて結審した。判決は6月18日に言い渡される予定だ。

重大な過失で命奪われ、家族の生活が一変

検察側の論告によると、児野被告は昨年5月21日、一宮市で路側帯を歩いていた妊娠中の研谷沙也香さん(当時31)を乗用車ではねて死亡させたとされる。検察側は「重大な過失で被害者の命が奪われ、生まれた子どもにも回復困難な病態が生じた。家族の生活も大きく変化し、失意の底で生活することを余儀なくされた」と指摘し、禁錮3年を求刑した。

事故後に帝王切開で生まれた長女の日七未ちゃんは、胎児機能不全となり、現在も意識がなく、自発呼吸もできない状態で、24時間の看護が必要だという。検察側は当初、日七未ちゃんに対する過失運転致傷罪の適用を断念したが、被害を起訴内容で言及する訴因変更を行っていた。

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遺族の悲痛な意見陳述「現在進行形の被害にも耳を傾けて」

この日の公判では、被害者参加制度に基づき、遺族が意見を陳述した。沙也香さんの父、水川淳史さん(62)は「日七未は生後11カ月になり、本来ならつかまり立ちや伝い歩き、言葉を発するようになる時期だが、現実には何も訪れない。母の顔を見ることも抱かれることもないまま、人工呼吸器につながれている」と述べ、孫の現状を語った。

夫の友太さん(33)は「家族の未来が奪われただけでなく、生活の根幹が今も揺らぎ続けている。裁判官には現在進行形の被害にも耳を傾けてほしい」と訴えた。遺族の代理人弁護士も「生まれながらにして全てを奪われた日七未さんの被害も量刑に正しく反映されるべきだ」として、禁錮7年を求めた。

被告は謝罪「全てに対する処罰を受けます」

児野被告は最終意見陳述で「日七未さんは一人の大切な人で被害者。身勝手な運転で重い障害を負わせ、人生を大きく変えた。全てに対する処罰を受けます」と述べ、謝罪の意を示した。

閉廷後、報道陣の取材に応じた友太さんは「検察側の求刑は甘過ぎる。きょうの内容では言葉が出ない」と語り、厳しい処罰を求める思いを明かした。この事故は、妊婦と胎児の被害が複雑に絡み合い、遺族の苦しみが長期化している実態を浮き彫りにしている。

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