大分県中津市の実家に放火したとして、現住建造物等放火罪に問われた中津市在住の無職の被告(23)の裁判員裁判で、大分地裁(杉本正則裁判長)は5日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。
事件の概要
判決によると、被告は昨年4月22日午後6時頃、母親が住む実家の家具に灯油をまき、マッチなどで点火して家屋を全焼させた。火災により家屋は全壊したが、母親は無事だった。
裁判長の指摘
杉本裁判長は、被告が母親に金銭援助を拒否されたことに不満を抱き、その不満を解消するために放火に及んだと指摘した。動機について「身勝手で身近な人物に対する不満の発散にすぎない」と非難した。
量刑の理由については、「放火は極めて危険な行為だが、今回は人の生命や身体に直接的な危害は生じていない。また、被告に前科はなく、反省の態度も見られることから、執行猶予が許されない事案とは言えない」と述べた。
判決の内容
被告は公判で起訴事実を認めており、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていた。検察側は「計画的な犯行で、社会への危険性が高い」として懲役6年を求刑していたが、地裁は保護観察付きの執行猶予を選択した。
被告は判決後、特に表情を変えずに法廷を後にした。傍聴席には母親の姿はなかった。



