盗撮画像共有事件で名古屋市教委が元教諭2人に損害賠償請求へ
名古屋市教育委員会は、教員らのグループが女児の盗撮画像を共有したとされる事件で、懲戒免職処分とした元小学校教諭2人に対し、損害賠償として計約250万円を請求する方針を固めた。請求額は市教委が負担した実費に基づくもので、慰謝料は含まれていない。両名は支払いに応じる意思を示しており、現在は支払い方法などの調整が進められている。
具体的な請求内容と背景
市教委によると、元教諭の水藤翔太被告(35歳)に対しては、体液が付着したとされる給食用食器の交換費用として約230万円を請求。水藤被告は性的姿態撮影処罰法違反罪などの容疑で公判が継続中だ。一方、元主幹教諭の和田(旧姓森山)勇二被告(42歳)には、市教委が業者に依頼した隠しカメラの探索費用など約20万円を求める。両被告とも同様の容疑で公判中である。
請求対象はあくまで市教委が負担した実費に限定されており、体液が付着したとされるリコーダーなど被害者の個人所有品については、原則として交換費用を請求しない方針だ。これは、公的機関としての責任範囲を明確にした対応と言える。
過去の事例と今後の防止策
名古屋市教委における教職員への損害賠償請求は、過去にも横領した金額の返金を求めたケースや、体罰を巡る民事訴訟で支払いを命じられた慰謝料を請求した例がある。今回の請求は、こうした前例に基づき、組織的な対応として位置付けられている。
さらに市教委は、3月末にまとめた再発防止策の中で、児童生徒への性暴力によって市に損害が生じた場合には賠償請求を受けることを「服務の手引」に明記する方針を示した。現在、具体的な文言を検討中であり、教職員の服務規律を強化する取り組みが進められている。
事件の概要と社会的影響
この事件は、教員グループによる女児の盗撮画像の共有が発端となり、教育現場における信頼を大きく損なう事態となった。名古屋市教委は、懲戒免職という厳しい処分に加え、経済的責任も追及することで、再発防止と組織の透明性向上を図ろうとしている。
損害賠償請求は、民事的な手続きとして進められており、現時点では提訴に至らない見込みだ。関係者によれば、両被告が支払いに前向きな姿勢を示しているため、和解に向けた調整が優先されている。この対応は、被害者や保護者への説明責任を果たすとともに、教育行政の健全性をアピールする意図も込められている。



