世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の清算手続きをめぐり、教団信者の親のもとで育った2世当事者らが23日、被害申告の相談や支援に取り組む団体を設立したと発表した。団体名は「統一教会2世清算連絡会」で、2世の田村一朗さん(ペンネーム)と野浪行彦さん(通称)が記者会見で明らかにした。
2世被害の実態と課題
会見で田村さんは、教団信者の2世には親族の献金による生活困窮や進学機会・交友関係の制限、教義による心理的影響など、多岐にわたる被害があると指摘。さらに、心身の健康問題や自立困難といった長期的かつ継続的な課題が存在すると述べた。しかし、宗教2世の被害に対する救済の枠組みは不透明で、親族との関係や植え付けられた教義から「被害があっても被害申告に踏み出せない状況が構造的に生じている」と問題提起した。
団体の活動内容
「統一教会2世清算連絡会」は、当事者からの相談対応に加え、2世被害の周知や債権申し立てに関する情報提供、弁護士の紹介などを行う予定だ。また、教団の清算人に対しては、被害申告時に親族や教団関係者に知られないよう配慮することや、親族の同意を要件としないことなどを求めた。
田村さんは「2世の被害は教育、経済、人間関係などに及ぶ長期的で構造的なもの。こうした問題が見過ごされたまま清算手続きが進むことを危惧している」と懸念を示した。野浪さんは「潜在的な被害者が多くいると思う。同じ2世として相談してほしい」と訴えた。
清算手続きの現状
教団を巡っては、東京高裁が3月に解散命令を決定し、清算人による清算手続きが進んでいる。高額献金の被害者らの弁済に向けては、5月20日から1年間、被害申告を受け付ける。文化庁が示した清算指針では、被害回復にあたり「精神的被害についても必要な配慮をすること」が求められているが、2世への具体的な言及はない。清算人は3月の会見で「精神的損害は損害賠償として認められる余地があるが、一人一人について審査することになる」と説明している。
問い合わせは同連絡会のサイトまたはメールで受け付けている。



