ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を巡る商標権侵害訴訟で、米ズーム・コミュニケーションズ社が東京地裁の判決を不服として控訴したことが、2026年5月11日までに明らかになった。東京地裁は先に、米ズーム社に対して約1億6000万円の損害賠償を命じており、同社はこれを不服として控訴した。
訴訟の背景
この訴訟は、日本の音楽用電子機器メーカー「ズーム」(東京)が、米ズーム社のロゴが自社のロゴと酷似しており、商標権を侵害されたとして、ロゴの使用差し止めと損害賠償を求めて起こしたもの。原告のズームは、1970年代から「ズーム」ブランドで製品を展開しており、音楽用電子機器分野で広く知られている。
東京地裁判決の内容
東京地裁は2026年4月、米ズーム社に対して約1億6000万円の賠償を命じるとともに、ロゴの使用差し止めを認める判決を言い渡した。また、原告のズームは、サービス販売代理店であるNECネッツエスアイ(東京)にも同様の訴訟を起こしており、地裁は同社に対しても約1600万円の支払いを命じていた。
双方が控訴
米ズーム社は11日までに、この判決を不服として控訴した。一方、NECネッツエスアイも同様に控訴しており、両社とも判決を争う姿勢を示している。原告のズームは、控訴されたことについてコメントを控えているが、今後の法廷闘争に備えるとみられる。
今後の見通し
控訴審では、知的財産権の範囲やロゴの類似性などが再び争われることになる。専門家は、商標権侵害の判断基準や国際的なブランド保護の観点から、注目される裁判と指摘している。米ズーム社は世界的なビデオ会議大手であり、日本の中小企業との間で生じた商標権問題が、国際的なビジネスに与える影響も懸念される。



