長崎市は28日、市北部を流れる三重川において、発がん性が懸念される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が、国の定める暫定指針値を上回っていたことを明らかにした。市によると、今月実施した河川水質調査で、PFASの代表的な物質であるPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計濃度が、1リットルあたり64ナノグラム(速報値)検出された。国の指針値は同50ナノグラムであり、今回の数値はこれを超過している。
調査の経緯と結果
今回の水質検査は、市内18か所の河川を対象に実施された。長崎市が同様の調査を行うのは、昨年11月以来2回目となる。これまではすべての地点で指針値を下回っていたが、三重川で初めて超過が確認された。市は、この河川の水は水道水源としては使用されていないことを確認しており、直ちに飲料水への影響はないとしている。
市民への呼びかけ
しかし、周辺地域では井戸水を生活用水として利用している家庭もあることから、市は近隣住民に対し、念のため井戸水を飲用しないよう注意を促している。また、原因究明に向けて、周辺の工場や事業所などの排水経路を調査するとともに、追加の水質監視を強化する方針だ。
PFASは、撥水加工や泡消火剤などに広く使われてきた化学物質で、分解されにくく環境中に残留しやすい特性を持つ。国際がん研究機関(IARC)は、一部のPFASについて「人に対して発がん性がある可能性がある」と分類している。日本では2020年に水道水の暫定指針値が設定され、各自治体で監視が進められている。
長崎市は今後、詳細な分析結果を公表するとともに、関係機関と連携して対策を検討する。市民に対しては、正確な情報を提供し、不安の解消に努めるとしている。



