ECMOの不適切使用で男性の意識が戻らず、岐阜県立多治見病院に約1億3千万円の損害賠償を提訴
岐阜県多治見市の県立多治見病院で2022年に心臓の手術を受けた72歳の男性が、術後も意識が回復しない状態が続いている問題で、男性と妻が病院を相手取り、約1億3千万円の損害賠償を求める訴訟を岐阜地方裁判所に提起した。提訴は4月15日付で行われ、17日に妻が岐阜市内で記者会見を開き、病院側の対応を厳しく批判した。
手術後に脳梗塞が判明、ECMOの使用に問題があったと主張
訴状によると、男性は大動脈に不具合があると診断され、2022年8月に人工心肺装置(ECMO)を使用した手術を受けた。しかし、術後も意識が戻らないため詳細な検査を実施したところ、脳梗塞を起こしていたことが明らかになった。男性は現在も寝たきりの状態が続いており、日常生活に支障をきたしている。
原告側は、脳梗塞が発生した原因について、ECMOが正しく使用されなかったためだと強く主張している。具体的には、装置の操作や管理に不備があった可能性を指摘し、医療過誤があったと訴えている。さらに、病院側が説明を拒むなど、不誠実な対応を繰り返したことも問題視している。
妻が記者会見で病院の対応を批判、原因究明を要求
17日に開かれた記者会見で、妻は「病院は原因を徹底的に追及し、不誠実な対応について明確な説明をしてもらいたい」と訴えた。家族は長期間にわたり不安と苦痛を抱えながら、適切な説明を求めてきたが、病院側からの十分な回答が得られなかったという。
一方、多治見病院は「訴状が届いていないため、現時点ではコメントできない」と回答している。今後の訴訟の行方に注目が集まっている。
医療現場の安全性と説明責任が焦点に
この訴訟は、以下のような点を浮き彫りにしている。
- ECMOのような高度な医療機器の適切な使用と安全管理の重要性
- 医療事故が発生した際の病院側の説明責任と透明性
- 患者や家族への精神的・経済的負担に対する補償のあり方
地域医療を担う公立病院での訴訟として、今後の医療体制や信頼回復に向けた取り組みが求められるケースとなっている。関係者は、早期の真相解明と再発防止策の実施を期待している。



