厚生労働省は2026年6月から、予防接種に関する新たなデータベースの運用を開始する。このデータベースは、ワクチンの接種歴や副反応の疑いがある事例を集約し、国民自身が接種履歴を確認できるようにするほか、研究者によるワクチンの有効性や安全性の分析を促進することを目的としている。2028年春までに全国民の情報を収集する計画だ。
新データベースの概要
新データベースは、国民が接種したワクチンの種類や接種日など、2026年6月以降の情報を市区町村から提供を受けて蓄積する。対象は公費助成を受けられる定期接種のワクチンで、本人の死後5年まで保管される。初期段階では14都道府県の21市区町村が先行して参画し、他の自治体も順次情報を提供する。2026年5月以前の接種分については、任意提供となる。
国民の利便性向上
国民はマイナンバーカードの専用サイト「マイナポータル」などを通じて、蓄積された接種情報を閲覧できる。これにより、自身の接種歴を簡単に確認できるようになる。
複数データベースとの連携
新データベースは、接種情報に加えて、市区町村が保有する死亡情報や、厚生労働省所管団体が収集する副反応疑い事例の情報も蓄積する。さらに、投薬や検査の情報が記載されたレセプト(診療報酬明細書)データベースとも連結される。2028年度からは、研究者がこれらの複数データベースを活用し、ワクチンの予防効果や副反応疑い事例の発生頻度を分析しやすくなる。
感染症対策への期待
風疹や麻疹(はしか)などの感染症が流行した際、厚生労働省はワクチン接種を呼びかける。しかし、接種歴が不明確なため接種を受けない人も少なくない。新データベースにより、国民が自身の未接種状態を確認し、積極的に接種を受けるようになることが期待されている。



