高校生が手作りベビードレスを寄贈、出産前後に命を落とした赤ちゃんに「天使のドレス宅急便」
奈良県立大付属高等学校(奈良市)の「家庭クラブ」で活動する生徒7人が、出産前後に命を落とした赤ちゃんに着せるベビードレス作りに取り組んでいます。生徒たちは一着一着に心を込めて製作し、今年1月、約20着を県総合医療センター(同市)に寄贈しました。この活動は「天使のドレス宅急便」と名付けられ、生徒たちは命と向き合いながら、活動を続ける決意を新たにしています。
医療用ケア帽子の活動から発展、命の尊さを学ぶ
同クラブは、がん治療の副作用で頭髪が抜けた患者向けに「医療用ケア帽子」を作り、2023年度から毎年約30枚ほど同センターに贈っています。この活動がきっかけで、手紙を通じた患者との交流も生まれ、看護師の北村芽衣子さん(53)は、「人とつながって生きることを学んだのは、貴重な体験だった」と話しています。
生徒たちは昨夏、ベビードレス製作に当たって精神的な負担を考慮し、大切な人を失った悲しみに寄り添う「グリーフケア」についてセンターで事前に学びました。助産師の烏頭尾寛子さん(42)が、「赤ちゃんのサイズに合った服を着せてあげることは、ひとつの命・人であると受け止めること」「元気に生まれた赤ちゃんと同じように関わることは、存在を認めていると伝えること」と解説しました。
柔らかい素材で丁寧に製作、家族の思いに寄り添う
生徒たちは、赤ちゃんが妊娠してからの期間によって大きさが様々で、水分が多く肌が傷みやすいことを考慮し、ガーゼや綿などの柔らかい素材を使用しました。人形に着せるなどしてイメージをつかみながら、一針一針に思いを込めて製作しました。
「苦しい思いをしている人の助けになるなら」という思いで参加した生徒(16)は、首回りのフリルにこだわり、「かわいらしくした方がよいのかなど、いろいろ悩んだ。服を着せるその時だけでも、明るい気持ちになってほしい」と願っています。別の生徒(16)は、「派手すぎず、控えめなかわいらしさを目指した。少しでもご家族の気持ちに寄り添いたい」と語りました。
寄贈活動を通じて、かけがえのない経験を共有
1月14日には生徒4人らが同センターを訪れ、ドレスと帽子、キーホルダーの約20セット、手や足の形のほか、メッセージが残せるカードなどを寄贈しました。同センターの緩和ケア認定看護師、長谷川友美さん(44)は、「誰かのために何かを作る経験と、誰かが思ってくれていると感じることは、お互いにとってかけがえのない経験になるはず」と活動の意義を強調しています。
生徒たちの中には助産師を目指す者もおり、「ベビードレス作りを通じて、いっそう意志が強くなった」と力を込めています。この取り組みは、悲しい現実を受け止められず、ベビードレスを作る気持ちになれない母親が多い中、高校生たちの温かい支援が光る活動として注目されています。