現役世代のがん患者支援へ検討会設置、治療と仕事の両立目指す 兵庫県
現役世代のがん患者支援へ検討会設置 兵庫県

現役世代のがん患者支援へ検討会設置、治療と仕事の両立目指す

兵庫県は、がん治療を受けながら仕事や家庭生活を続ける現役世代の患者を支援するため、医療関係者やがん経験者、民間企業の代表らを構成員とする「現役世代のがん対策推進検討会」を本年度に設置した。検討会では年内をめどに議論をまとめ、具体的な施策につなげる方針だ。

初会合で斎藤知事が重要性を強調

5月26日に県公館で開かれた初会合で、斎藤元彦知事は「現役世代でがんに罹患する方は一定数おり、仕事や家庭と治療の両立に課題を抱えている。精神的・経済的な負担も大きく、必要な施策を講じていきたい」と述べ、支援の必要性を強調した。

国立がん研究センターの統計によると、2023年の県内のがん罹患者数は約4万5000人で、70歳代が約1万6000人と最多。一方、60歳代が8000人、50歳代が4000人、20~40歳代でも計約3000人に上り、現役世代の患者も少なくない。また、厚生労働省のまとめでは、全国で仕事を持ちながら通院するがん患者は2022年に男性19万2000人、女性30万7000人で、2010年の男性14万4000人、女性18万1000人から増加している。

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医療の進歩で「長く付き合う病気」に

医療技術の進歩によりがん患者の生存率が向上したことを背景に、県はがんを「長く付き合う病気」と捉え、現役世代が社会とのつながりを維持できる環境整備を目指す。検討会では、患者相談体制の強化、就労環境や支援体制の整備、がんに対する社会的理解の促進などについて意見を交換し、来年度の施策立案や予算編成に反映させる予定だ。

既存の支援策には課題も

県は2019年度から、がん治療などで一時休職する従業員の代替職員を雇用した中小企業に対し、月10万円を上限に賃金補助を行う事業を実施している。しかし、2025年度の申請企業はわずか3社にとどまり、制度の周知不足や代替職員確保の難しさが課題となっている。

また、2021年度からは、治療による脱毛や乳房切除など外見の変化に対応する医療用ウィッグなどの購入費を市町と共同で助成する事業を行っている。ただし、所得制限(400万円未満)があるため現役世代が対象になりにくい上、申請件数の増加に伴う財源確保が課題となっている。

疾病対策課の担当者は「がんは治療しながら仕事や育児などの社会的つながりを維持できる病気になりつつある。社会参画に向け、効果的な支援のあり方を検討していきたい」と話している。

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