サウナ火災受け厚労省が緊急調査 9割以上の施設で扉の開閉に問題なし
厚生労働省は4月21日、昨年12月に東京都港区赤坂で発生した個室サウナ店の火災事故を受け、全国のサウナ施設を対象に実施した安全管理に関する緊急調査の結果を公表しました。この火災では、利用していた夫婦が死亡する痛ましい事態が発生しています。
緊急時扉開閉可能な構造が大多数 業態別で高い実施率
調査によると、サウナを設置している公衆浴場では7812施設、ホテルなどの旅館業では5240施設が確認されました。これらの施設のうち、公衆浴場の95.9%、旅館業の94.7%において、扉が内側から押すだけで開くなど、緊急時の開閉に支障がない構造となっていることが判明しました。
これは、赤坂の火災事故で問題となったドアノブが外れて扉が開かず、利用者が閉じ込められた可能性が指摘されている事態を受けて、特に注目されたポイントです。警視庁は現在、当該施設の安全管理体制と死亡事故との因果関係について詳細な調査を進めています。
非常用ブザー設置率に業態間で顕著な差
一方で、サウナ室内への非常用ブザー設置状況については、業態間で大きな開きが見られました。公衆浴場では85.8%にあたる6702施設が設置しているのに対し、旅館業では63.5%の3327施設にとどまっています。
この差について、厚労省は「旅館業における衛生管理に関する要領には、非常用ブザーの設置が明記されていないことが一因と考えられる」と分析しています。同省は、非常用ブザーが緊急時の安全対策として有効に活用できることを改めて周知し、必要に応じて各施設への指導を強化する方針を示しました。
安全対策の徹底を求める通知を発出
厚生労働省は今回の調査結果を踏まえ、全国の関係施設に対して安全管理の徹底を求める通知を発出しました。具体的には以下の点が強調されています。
- 扉の開閉機構の定期的な点検と維持管理
- 非常用ブザーやその他の緊急通報装置の適切な設置
- 従業員に対する緊急時対応マニュアルの整備と訓練の実施
同省の担当者は「今回の調査で大多数の施設が基本的な安全構造を備えていることが確認されたが、事故を防ぐためには継続的な取り組みが不可欠だ」と述べ、今後の監視体制の強化に言及しています。
この火災事故は、レジャー施設における安全管理の重要性を改めて社会に問いかけるものとなりました。厚労省は、調査結果を詳細に分析し、必要に応じて法規制の見直しも含めた検討を進めていく方針です。



