視覚障害のある子どもたちに動物の姿を実際に触れて感じてもらおうと、県立岡山盲学校(岡山市中区)に、動物の模型を並べた「触れるどうぶつえん」が開園した。模型は、点訳ボランティアや難民支援などに取り組む埼玉県寄居町の田中博さん(76)が寄贈したもので、子どもたちは「おかもうふれあいパーク」と名付けて親しんでいる。
精巧な模型28体が並ぶ
校舎3階の生徒会議室には、高さ約1.7メートルのキリンや、立派なたてがみを持つオスのライオン、シカ、スズメ、イヌ、ウサギなど、動物園の人気者から身近な鳥類や小動物まで、精巧な模型28体が並んでいる。毛や牙などの質感もリアルに再現されている。
生徒たちが触れて楽しむ
記者が取材した27日には、同校に通う中高生5人が模型のしっぽや耳、足などを隅々まで手で触れて楽しんでいた。高校3年の女子生徒は「わくわくした。キリンの首は思ったより長かった」と笑顔で話した。
寄贈のきっかけ
田中さんが模型の寄贈を始めたのは、以前ボランティアで知り合った全盲の高齢男性が「いまだにイヌの姿が分からない」と話しているのを聞き、衝撃を受けたからだ。「動物の姿を知ってもらいたい」という思いから、2023年に全国の特別支援学校などに購入した動物模型を贈るプロジェクトを開始。埼玉県や広島県、青森県などに続き、今回で13か所目となる。
開園初日の様子
20日の開園初日に立ち会った田中さんは、来園した子どもたちの姿を思い返し、「大喜びしてくれているのが伝わってうれしかった。一頭一頭じっくり触って、動物の形を感じ取ってもらえれば」と話した。
教育効果と今後の展望
同校の梅田裕子校長によると、動物の形を楽しみながら体験できるため、子どもたちの間で会話が生まれたり、興味が広がったりしているという。ふれあいパークは常設で、今後は目の見えない乳幼児や地域住民にも開放する予定。梅田校長は「子どもたちが田中さんの思いを知って、『自分も誰かのために何かしたい』と考えるきっかけになれば」と期待を寄せている。



