高市早苗首相は28日、国賓として来日したフィリピンのマルコス大統領と東京・元赤坂の迎賓館で会談した。両首脳は、東シナ海や南シナ海で軍事的威圧を強める中国を念頭に、安全保障に関する機密情報を共有するための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結の正式交渉を開始することで合意した。
GSOMIA締結へ本格交渉
GSOMIAは、両国間で安全保障上の機密情報を保護し、共有するための法的枠組みを提供する。今回の合意により、日本とフィリピンは情報共有を円滑化し、安全保障協力を一層強化する道筋がついた。フィリピンは南シナ海で中国と領有権争いを抱えており、日本の支援を重視している。
経済連携の拡充も一致
両首脳は、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の包括的経済連携協定の拡充に向け、改正を検討することで一致した。また、重要鉱物、半導体、再生可能エネルギーなどの供給網強靱化で協力を深めることも確認した。
共同声明で中国への懸念表明
会談後に発表された共同声明では、中国の名指しは避けつつも「東シナ海及び南シナ海の情勢に深刻な懸念を表明し、力や威圧による一方的な現状変更に強く反対する」と明記。経済的威圧や輸出入制限にも懸念を示した。
国交正常化70周年で関係格上げ
今年は両国の国交正常化70周年であり、フィリピンはASEAN議長国を務めている。両首脳は2国間関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」へ格上げすることで合意し、今後の協力関係をさらに強化する方針を示した。



