国会議事堂、初の大規模耐震改修へ
国会議事堂本館で、完成以来初めてとなる大規模な耐震改修工事の計画が進められている。1936年に完成したこの建築物は、当時「永久的の大建築物」と称されるほど堅固に造られたが、築90年を超え老朽化は避けられず、耐震性に疑念が生じている。歴史的価値を踏まえ、外観と内装は維持しつつ、国会開会中の審議に影響が出ないよう配慮する。工事は2030年度中に開始され、完了まで約8年を見込む。
工事中も建物使用継続、免震層を設置
衆院事務局によると、改修工事は議事堂の基礎の下に免震層を設け、建物全体を免震化する工法を採用する。この工法により、工事中も建物内を使用でき、内外装を大きく傷つけることなく施工可能だ。推計費用は600億〜700億円で、資材高騰によりさらに増加する可能性もある。現在は2030年度の着工に向け、詳細な改修計画を策定中である。
議事堂の建物面積は延べ約5万3000平方メートルで、地上3階(一部4階)地下1階の鉄筋コンクリート造り。中央塔は高さ約65メートル、9階建て。建設時には延べ254万人以上が工事に関わり、完成まで約17年を要した。
政治の中枢機能維持が目的
衆院事務局は「首都直下地震が発生しても政治の中枢機能を維持するため、改修工事は必要だ」と説明する。1981年の耐震診断では、建築基準法改正後の新基準を満たしていたため改修は行われなかった。2011年の東日本大震災でも大きな被害はなかったとされる。
しかし、その後衆参両院が設置した有識者会議が2019年に経年劣化の恐れを指摘し、改めて耐震診断を実施。2023年にまとめられた提言では、本会議場や中央塔の鉄骨が変形し、天井からの落下物が生じる危険性があるとし、「高い耐震性能を目指す改修計画が望ましい」と明記された。
築100年となる2036年も議事堂は改修工事中と見込まれる。工事完了後も、この歴史的建造物は日本の政治の象徴として、さらに長くその役割を果たし続けることになる。



