ドイツ外相がフランスの国防費増額を批判 NATO目標達成に「不十分」と指摘
ドイツのワーデフール外相は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が掲げる国防関連支出の目標を巡り、フランスの取り組みを「不十分」と厳しく批判した。この発言は、独仏両国間の安全保障協力における深刻な不協和音を浮き彫りにしている。
NATO目標達成への懸念表明
ワーデフール外相は、ドイツ公共ラジオが16日に報じたインタビューにおいて、NATO加盟国が2035年までに国防費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる目標について言及。「残念ながらフランスはこれまでのところ、目標を達成するには不十分な取り組みしかしていない」と述べ、強い懸念を表明した。この批判は、欧州における防衛力強化の重要性が高まる中、主要国間の足並みの乱れを露わにした。
ミュンヘン安全保障会議での動向
13日から15日にかけてドイツ・ミュンヘンで開催されたミュンヘン安全保障会議では、独仏首脳が欧州独自の核抑止力について協議していることが公表された。これは国際社会に対し、欧州の結束をアピールする意図があったが、一方で独仏を中心とした次世代戦闘機の共同開発計画は難航を極めている。ワーデフール外相の発言は、こうした協力プロジェクトの行く末にさらなる影を落とすものとなった。
独仏関係への影響
今回の批判により、独仏両国の安全保障政策における溝がさらに顕在化した。両国は欧州連合(EU)の中心として、長年にわたり緊密な協力関係を築いてきたが、国防費の増額や軍事プロジェクトを巡る見解の相違が表面化。欧州全体の防衛体制の強化に向けた取り組みに、新たな課題が生じている。専門家は、このような不協和音が拡大すれば、NATOやEUの結束力に悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。
ワーデフール外相の発言は、単なる財政的な問題を超え、欧州の安全保障戦略そのものに関する根本的な議論を呼び起こすものだ。今後、フランス側がどのような反応を示すか、また両国がこの溝を埋めるための対話を進められるかが注目される。国際情勢が緊迫化する中、欧州の防衛協力の行方は、世界の安全保障環境にも大きな影響を与えるだろう。