「同志国」とは何か?定義はあいまい、日本政府が頻繁に使う表現の実態
「同志国」とは何か?定義あいまいな政府用語

高市早苗首相は28日、国賓として来日中のフィリピンのマルコス大統領との首脳会談に臨む。日本にとってフィリピンは重要な「同志国」と位置づけられている。近年、日本政府がよく使っている「同志国」という表現だが、定義はあいまいだ。どんな国を指すのか。

「同志国」の定義をめぐる国会でのやり取り

4月2日の参院外交防衛委員会で、野党議員が「たびたび同志国という言葉が出てくる。何をもって同志国と言うのか、どの範囲までを同志国と言うのか」と質問した。これに対し、茂木敏充外相は「Like-minded countries(志を同じくする国々、同志国)になるかと思うが、一般的に、外交課題において目的を共有する国を指す形で用いられている」と説明したが、具体的な範囲については答えなかった。

高市政権と「同志国」の関係

高市政権は防衛装備移転三原則の「5類型」を撤廃し、殺傷能力のある武器輸出を全面的に解禁したが、この狙いの一つも「同志国との安保関係の強化」だった。首相は「パートナー国からのニーズに応えて防衛装備移転を行うことは、同志国の防衛力の向上になる」と語る。フィリピンとは、退役させる海上自衛隊の「あぶくま」型護衛艦の輸出に向けた協議入りを決めている。

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「同志国」表現の使用開始と拡大

国会の議事録などによると、政府は2021年の岸田文雄政権の所信表明演説で「同志国」との表現を使って以降、頻繁に使うようになった。外務省幹部は、「ロシアによるウクライナ侵略以降、価値観を共有する国々との連携が重要性を増し、この言葉が定着した」と説明する。しかし、具体的な国名や条件は明示されておらず、外交上の柔軟なレトリックとして使われているとの指摘もある。

「同志国」の概念は、日本が重視する「法の支配」「自由で開かれたインド太平洋」などの原則を共有する国々を指すとされるが、実際には二国間関係の強化や防衛協力の推進を目的とした政治的なラベリングとして機能している。専門家からは「定義が曖昧なまま使われることで、日本の外交戦略が不明確になるリスクがある」との声も上がっている。

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