愛知県犬山市、児童クラブ利用手数料の過大徴収問題で時効分も返還へ
愛知県犬山市が約10年間にわたり児童クラブの利用手数料を過大に徴収していた問題で、市はこれまで消滅時効に該当すると判断していた4年9カ月分についても、さかのぼって返還することを決めた。利息に相当する遅延損害金を含めて、対象となる333人に総額約170万円を支払う方針を明らかにした。
対象期間は2016年4月から2020年12月まで
過大徴収の対象期間は2016年4月から2020年12月までの4年9カ月間に及ぶ。過徴収額そのものは約120万円で、1人当たりの金額は140円から4万9210円と幅がある。これに遅延損害金を上乗せした総額が約170万円となる計算だ。
市の規定では、2016年4月以降、同一世帯の2人目のクラブ利用者については手数料を半額とすることが定められていた。しかし、実際にはこの減額措置が適用されず、全額が徴収され続けていたことが今年2月に明らかになった。
当初は時効適用も判断を覆す
犬山市は直近5年分にあたる約101万8430円については既に支払い手続きを進めていた。しかし、それ以前の分については消滅時効(5年)に該当するとして、返還手続きを行っていなかった。
この問題を巡っては、今年3月の市議会一般質問を受けて市が再調査を実施。当初は地方自治法などを根拠に支払わない方針を示していたが、「市の過失が大きい」として判断を変更した。
市の関係者によれば、他の自治体の事例を参考にしながら、時効期間が20年となる民法の規定を適用して支払うことを決定。21日に開催された市議会全員協議会でこの方針が正式に報告された。
市民への影響と今後の対応
この問題は、以下のような経緯で発覚・対応が進められてきた:
- 2016年4月に導入された同一世帯2人目半額規定が適切に適用されていなかった
- 長期間にわたり過徴収が継続していたことに市側も気付かなかった
- 市民からの指摘や議会質問を契機に実態が明らかになった
- 当初の時効適用判断から一転して全額返還を決定
犬山市の担当者は「市民の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。今後は同様の過ちが起こらないよう、徴収システムの見直しと定期的なチェック体制を強化してまいります」とコメントしている。
返還手続きについては、対象者への個別通知を経て、順次支払いが行われる予定だ。市は財政負担についても検討を進めており、適切な会計処理を行う方針を示している。



